「Office“12”」が国内初公開、XML連携にかけるMS(1/2 ページ)

マイクロソフトは、「Microsoft Developers Conference 2006」で、今年下半期にも開発を終える予定の「Office“12”」(開発コード名)を国内で初めて公開した。

» 2006年02月02日 21時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 マイクロソフトは2月2日、神奈川県横浜市で開いた開発者向けのイベント「Microsoft Developers Conference 2006」で、今年下半期にも開発を終える予定の「Office“12”」(開発コード名)を国内で初めて公開した。米マイクロソフトのインフォメーションワーカー ビジネスグループ ゼネラル マネージャ沼本健氏は「協業」「結果指向のユーザーインタフェース」「データ可視化」などのキーワードを挙げてOffice“12”を説明した。

沼本健氏 米マイクロソフトのインフォメーションワーカー ビジネスグループ ゼネラル マネジャー 沼本健氏。通商産業省(現経済産業省)を経て1997年に米マイクロソフトに入社した

 協業とは、Officeの各ソフトウェアとほかの業務アプリケーションとの連携。Office“12”のWord、Excel、PowerPointは新たにXMLをベースにした文書フォーマットを採用する。前バージョンのOffice 2003ではWordがフル機能でXMLをサポートしていたが、Excelはフル機能に対応していなかった。

 Office “12”では、Wordは「.docx」、Excelは「.xlsx」、PowerPointは「.pptx」の拡張子が付く。これらのフォーマットは圧縮ファイルフォーマットの「Zip」をコンテナとして利用している。拡張子を.docxなどから.zipに変更するとフォルダとして展開でき、格納された XMLファイルを確認できる。格納されるXMLファイルは、文書プロパティ、コメント、ユーザー定義、スキーマ、画像、ビデオ、WordML、SpreadsheetMLなど。

 文書フォーマットがXMLベースになることで、Officeとほかアプリケーションとの連携が容易になる。1度作成した文書の再利用も簡単になる。また、Zipベースのため、ファイルサイズが小さくなるだけでなく、「ファイルを送信する場合は、大事なXMLファイルを優先して送信する。トラフィック中に障害が起きてもファイル全体が破損することが少ない」(沼本氏)という。

 「いままでのOfficeはバイナリを使い、ブラックボックスだった。しかし、XMLベースになることで、ドキュメントとデータの差がなくなり、ほかのプログラムがWordやExcelと連携したり、ファイルを作成することが可能になる」(沼本氏)。米Microsoftのデベロッパー&プラットフォームエバンジェリズム グループ コーポレートバイスプレジデントのサンジェイ・パラササラシー(Sanjay Parthasarathy)氏は「Officeはエンタープライズ・アプリケーションのフロントエンドになるだろう」と語り、XML連携でバックエンドシステムとの連携を本格的に進める考えを強調した。

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