Lotus Notes/Domino顧客の取り込みに再攻勢、「Notes Compete」チームを結成(2/2 ページ)

» 2006年02月15日 00時00分 公開
[Peter Pawlak,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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Notes/Dominoアプリケーションを移行する新ツール

 Microsoftは2006年上半期に、Notes/Domino R5およびR6のアプリケーションと関連データをMicrosoftのコラボレーションポータル環境であるWSSとSPSに移行するための新ツール2種を出荷する。

Microsoft Application Analyzer 2006 for Lotus Domino
 2006年第1四半期にリリース予定の無料ツール。Notes顧客がインストール済みのアプリケーションの種類や、そうしたアプリケーションがそれぞれどの程度の頻度で使われているかを列挙し、移行プロジェクトの規模を顧客が把握しやすいよう支援するためのツールだ。このツールはNotesアプリケーションを、Notesテンプレートをベースとするか、カスタマイズされているか、あるいはデータ中心か、プロセス中心かに応じて、4つのグループに分類する(テンプレートベースでデータ中心のNotesアプリケーションは最も移行が簡単で、カスタマイズされたプロセス中心のアプリケーションの移行が最も難しい)。

Microsoft Data Migrator 2006 for Lotus Domino
 Microsoftは2005年、ProposionのPortal Migrator技術に関する権利をすべて買収した。この技術を使えば、Notes顧客はNotesアプリケーションのデータをWSSリストに移行できる。Microsoftはこの技術を、2006年第2四半期にリリース予定の新しい無料ツールMicrosoft Data Migrator 2006 for Lotus Dominoに組み込む方針だ。このツールを使えば、製品とともにインストールされる標準テンプレートを使って構築されたLotus Notes/Dominoアプリケーション(実際の用途では、主に文書ライブラリとチームディスカッションがNotesアプリケーションの大半を占めている)から、テンプレートベースの同等のWSSアプリケーションへのデータ移行を比較的容易に行える。Microsoftは最近、こうした用途向けに最適化した新しいWSSテンプレート3種(Discussion Database、Team Work Site、Document Library)を既存の30種類のWSSテンプレートに追加している。

 ただし、Data Migratorではデータしか移行できず、NotesアプリケーションのロジックをWSSアプリケーションに変換することはできない。また、カスタマイズしたNotesアプリケーションに関しても、カスタマイズしたNotesテンプレートに対応するWSSテンプレートが存在する場合を除いて、データをWSSに移行することはできない。そのため、カスタマイズしたワークフローやプロセス中心のアプリケーションを使用しているNotes顧客の場合、同等の機能を備えたアプリケーションをWSSで再現するためには今後も、Visual Studioを使った相当量の作業が必要となる。

共存と移行ツールの強化

 さらにMicrosoftは2005年12月に、Notes/Domino R5およびR6のユーザーをExchange 2003に移行するためのツール3種の更新版をリリースした。これらのツールは、移行プロジェクトを進める際や、顧客が長期間に渡って両システムを連携させる必要がある場合などに、ExchangeとNotesの共存をサポートする役割も果たす。

Exchange Connector for Lotus Notes/Domino
 DominoサーバとExchange Server 2003およびWindows Server 2003のActive Directory(AD)間のメッセージング/カレンダー機能の共存をサポートする。同ツールの新版では、ExchangeとDominoの間で電子メールをルーティングする際にHTML/MIMEベースのメッセージコンテンツをサポートするようになっているほか、共存の際にはDomino Web Accessクライアント(およびその前身のiNotes)もサポートされる。新版ではさらに、Unicodeのサポートのほか、安定性と信頼性が強化されている。

Exchange Calendar Connector for Lotus Notes/Domino
 DominoとExchange間でカレンダーのFree/Busy情報の共有をサポートする。新版では、これまでよりもインストールが簡略化され、安定性が強化されている。

Migration Wizard for Lotus Notes/Domino
 Dominoのメールボックスと関連のDominoディレクトリ情報をExchangeとADに移行するためのツール。新版では、Unicodeキャラクタのほか、これまでよりも多くのコンテンツフォーマットがサポートされる。

 以上の3種類のツールはいずれも、Windows Server 2003とExchange Server 2003 SPのほか、この両システムを接続するためのExchangeサーバ上にLotus Notes 6.xクライアントを必要とする。

Exchangeに残る不安要素

 1つ、致命的な欠点となる可能性があるのは、Microsoftが最近、2006年後半か2007年初頭にリリース予定のExchangeの次期バージョン(コード名でExchange 12と呼ばれる)に関して、64ビット版しかリリースしない方針を発表したことだ。現行の32ビット版のExchange Server 2003はWindows Server 2003の64ビット版では動作しないため、2006年中にDominoメッセージとPIMデータをExchangeに移行する顧客は、その後、Exchange 12にアップグレードしようという段になって多大なアップグレードコストに直面することになる。

 このマイナスポイントは、多くの潜在顧客にとっては、とりあえずExchange 12がリリースされるまで移行を待つという判断を下す十分な理由になるかもしれない。

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