ビジネスルール管理システムをベースに通信分野を攻める日本ユニシス

日本ユニシスとアイログは、通信サービス事業者向けのソリューション提供で業務提携したと発表した。

» 2006年02月16日 20時16分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 日本ユニシスとアイログは2月15日、通信サービス事業者向けのソリューション提供で業務提携したと発表した。日本ユニシスは、アイログのBRMS(ビジネスルール管理システム)の主力製品である「ILOG JRules」の提供を開始し、同製品をBPM(ビジネスプロセス管理)プラットフォームと連携することで、ADSLサービス提供業者などの通信企業のビジネスを支援する。

 提携の背景について、日本ユニシスのサービスインダストリ事業部の石黒信明氏は、「通信業界向けのソリューション展開で、アイログのBRMS製品の必要性を認識し、提携の具体的な動きにつながった」と話している。

日本ユニシスサービスインダストリ事業部の石黒信明氏

 アイログは現在、NTTグループやソフトバンク、日本テレコムをはじめとする通信業向けビジネスで、年間3億円の売り上げを上げているという。同社の代表取締役でゼネラルマネジャーを務める和多田茂氏は、「日本ユニシスが自社の製品をベースにしたソリューションを提供することで、ビジネスの一層の拡大を考えている」と話した。同社は一方で、生命保険や損害保険などの企業向けのビジネスも今後拡大させるとしている。

アイログでゼネラルマネジャーを務める和多田茂氏

 一般に、通信企業におけるシステム的な課題として、ビジネスポリシーの頻繁な変更や、課金システムの複雑化への対応などが挙げられる。顧客への課金体系などが一例だ。今後は、IP電話の普及やFMC(固定・移動の融合)などの外部環境の変化により、一層複雑化が予想されている。

 BRMS(Business Rule Management Systems)とは、業務プロセスにおいてルール設定や管理を包括的にできるような仕組みを提供することで、企業の業務プロセスを効率化するシステムと定義される。企業システムは多くの場合、「8月にADSLサービスに契約した利用者は2カ月間無料」というような、さまざまなルールが集まって構成されており、それがシステム内でいわゆる「ハードコード」されているケースも珍しくはない。そこで、BRMSによって、ルールとシステムを分離して管理することにより、変化に柔軟なシステムを構築することが可能になる。

 この日は、日本ユニシスによるILOG JRulesのデモンストレーションも行われた。ポイントは、「日本語でビジネスルールを記述できること」「ビジネスルールとアプリケーションが切り離されていること」の2つだという。

 具体的には、予めJRules上で定義したビジネスルールに基づいて、システムに入ってきた課金オーダーに対してバリデーションチェックを実施。無効なオーダーを検出し、除外するといったプロセスが、正確に実施されていることが紹介された。

 両社は今後2年間で10システムの販売を見込んでいる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ