コンタクトセンターのIP化で拡大する株式市場に対応するイー・トレード証券(2/2 ページ)

» 2006年02月28日 08時47分 公開
[聞き手:怒賀新也,ITmedia]
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システム強化の取り組み

ITmedia システム増強について、どのような取り組みを行っていますか。

鈴木 2005年11月に、従来の1.5倍に当たる150万口座に対応できるまでシステムを増強しました。システム増強の取り組みは、「顧客が急に増えたから」という理由で行うものではなく、計画的に意思決定をしています。

ITmedia イー・トレード証券の今後のビジネス展開について教えてください。

鈴木 われわれは、業界最低水準の手数料でサービスを提供することをビジネスの核にしています。基本的には、そのビジョンに沿って運営していきます。具体的には、iアプリ向けのツールを12、1月に展開したり、2月にモバイル向けサイトをリニューアルしたりすることで、サービスの向上を図っています。

 また、オペレーターの増員も計画しています。20、30代のお客様が多く、6割は株式投資が未経験のため、コンタクトセンターに問い合わせる質問内容は初歩的なものが多いのが現状です。また、最近は(ライブドア事件やみずほ証券など)証券業界に衝撃を与えるニュースが多かったこともあり、それに関連した質問が増えていることも事実です。

ITmedia 昨年末に、みずほ証券の株式誤発注事件が起こりました。その際に、東京証券取引所のシステムが発行済み株式総数以上の売り注文を受け付けてしまったことなどについて、どう感じましたか?

出井 東証のシステムは本来ならば、株数だけでなく、指値をした値段でも、その注文を受け付けないようにしなくてはいけないものでした。さらに、注文のキャンセルができなかったことも問題でした。

 株というものは、買うときの指値が低い分には、多くの場合すぐには約定しないので、すぐに惨事に至ることはありません。しかし、現状の株価より低い売り注文を大量に出した場合は、注文を入れた瞬間にその低い株価に向かって売り下がっていくことになります。同じようなことは以前にもあり、イー・トレードというよりは東証としての問題と言えます。

ITmedia ソフトバンク・テクノロジーが「コンタクトセンターのソリューションを提供する」といった場合、具体的にはどのような施策を行いますか。

中田 「IP化」のようなシステムとしての対応というよりは、顧客の視点から「コンタクトセンターをビジネスの中でどのように位置付けるか」といった面に着目する、コンサルティングに力を入れています。コンタクトセンターを成功させるためには、技術面はもちろんですが、業務面から考えて設計することが大事だからです。

ソフトバンク・テクノロジーの中田氏(左)と金善郁氏(右)
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