リソースのデータセンター集約で内部統制を実現、MKInet

MKIネットワーク・ソリューションズは、同社データセンターを基盤に、企業の内部統制を支援するサービス群「Govern@nce Office」を発表した。

» 2006年02月28日 11時19分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 MKIネットワーク・ソリューションズは2月27日、同社データセンターを基盤に、企業の内部統制を支援するサービス群「Govern@nce Office」を発表した。

 2008年3月期にも導入が見込まれる日本版SOX法への対応においては、米SOX法同様、財務諸表の作成に関わる内部の管理体制やプロセスを整備し、それが正しく機能しているかをチェックする必要がある。そうした内部統制確立の一環として、IT統制も求められる。

 Govern@nce Officeは、OSやネットワーク、データベースといったITインフラをデータセンター側でホスティングし、コントロールすることで、IT統制のうちITの全般統制を実現するサービスだ。社内のあちこちに分散していたITリソースを「データセンターに集約することで内部統制を効かせることができる。逆に言えば、ばらばらのままでは統制は効かない」と、MKIネットワーク・ソリューションズの代表取締役社長、石黒太郎氏は述べた。

石黒氏 MKIネットワーク・ソリューションズの代表取締役社長、石黒太郎氏は「データセンターへの集約は時代の流れ」と述べた

 Govern@nce Officeは当初、4種類のサービスから構成される。

 「Identity Govern@nce」は名称のとおり、アイデンティティ管理を実施するもので、Active Directoryを活用したアクセス制御を実施し、クライアントの操作履歴を記録、レポートする。シングルサインオンを実現することで、セキュリティの向上とともにアカウント管理の負荷を軽減できる点もメリットだ。

 また「Data Govern@nce」は、社内に散在するさまざまなデータをデータセンターに集約するサービス。ファイルサーバを集約することにより、物理的なセキュリティ向上を実現するとともに、運用コストの削減にもつながる。Identity Govern@nceと組み合わせることで、アクセスコントロールやモニタリングも可能だ。また、シンクライアントの仕組みを提供するサービスも提供していく。

 同社はまず、この2種類のサービスを4月より提供する。それ以降、ウイルス/スパムメール対策を行うとともに、送受信メールのアーカイブを行う「Mail Govern@nce」、ITILに準拠した体制の下でアプリケーションの運用、管理を行う「Business Govern@nce」といったサービスも順次提供していく予定だ。Business Govern@nceでは、ITILに準拠することで管理/運用プロセスを可視化、標準化するとともに、オペレーションをログとして記録することで、統制が機能していることを保証するという。

 内部統制の実現に際しては、その上流工程として、業務の文書化といった作業が必要となる。この部分は、三井情報開発(MKI)あるいは他のシステムインテグレータやコンサルティング企業といったパートナーからのサービスとして提供し、それをGovern@nce Officeに反映するという形でサポートしていく方針だ。

 石黒氏は「日本版SOX法以外にも、個人情報保護法対応やセキュリティ対策などから見ても、すべてのIT資産をインターネットデータセンターに置く流れに向かっている」と述べる。そうした中で、ブランド力やサービスの品質といった特徴を生かし、運用ノウハウも含めた付加価値サービスとしてGovern@nce Officeを提供していきたいとした。

 Govern@nce Officeの料金は、個別見積もりがベースとなるが月額500万円からの予定だ。当初、大手3〜4社を対象に販売を進め、追って中堅/中小企業向けに機能を絞り込んだサービスも提供していく計画で、初年度3億円の売り上げを見込むという。

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