無線LANのMeru、「標準技術だけですべて問題解決するとは思わない」(1/2 ページ)

米Meru Networksは、新機軸の無線AP製品を日本に投入する。同社の代表取締役社長のイハブ・アブ-ハキマ氏に話を聞いた。

» 2006年03月07日 17時45分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 米Meru Networksは、新しいカテゴリに入る無線LAN製品を日本に投入する。新製品の発表に合わせて来日した代表取締役社長のイハブ・アブ-ハキマ氏は、同社が独自に有する無線LANのノウハウに自信を見せる。

代表取締役社長のイハブ・アブ-ハキマ氏。米HPやSGI、Proximを経て現職に

 Meruは、独自の技術を採用した無線LANスイッチとアクセスポイント(AP)を組み合わせて提供することにより、既存のデータ通信に加え音声・動画を含む多様なアプリケーションに対応できるインフラを構築できることを強みとする。特に、無線IP電話を利用したモバイルセントレックスの構築事例が多く、国内では大阪ガスで49拠点、6000台の無線IP電話端末を収容する計画という大規模なものとなる。

 無線IP電話の利用で重要になるのが、端末がAP間を移動するときに起こるハンドオーバーへの対処。APの電波エリアをまたぐと、チャネルの切り替えや、IEEE 802.1x認証システムを導入している場合に再認証の処理などが発生し、結果として音声が途切れたり劣化したりする。

 Meruの無線LANスイッチ「Meru Controller」では、こうした問題に「バーチャルセル」という技術で対応した。AP間の電波出力状況をMeru Controllerが管理し、各APの電波強度を自動調整することで干渉を抑え、複数のAPを端末側から仮想的に1台のAPとして見せる。つまり、複数のAPが同一のチャネルを使うことでハンドオーバー自体を発生させない仕組みである。ハンドオーバーが起こらなければ、再認証の必要もない。

 このほかにも、チャネル当たりの接続数を増やす技術(Air Traffic Control)や、上りと下りの双方向で音声データのQoS(Quality of Service)を実現する機能(Over-the-Air QoS)といった同社ならではの技術を武器に、「新しい第4世代の無線LAN市場をリードしている」(ハキマ氏)。

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