デルが「PowerEdge」シリーズにSQL Server 2005同梱モデルを新たに提供することを明らかにした。中堅・中小企業市場に訪れているリプレース需要を見込み、大手ベンダーが本格的な売り込みを始めようとしている。
オンラインムック強い中堅企業のIT化シナリオ。
デルは、自社のIAサーバ製品である「PowerEdge」シリーズに、マイクロソフトのデータベース製品であるSQL Server 2005同梱モデルを新たに提供することを明らかにした(関連記事)。両社は、中堅・中小企業市場において新たなプラットフォーム構築のニーズが強いと認識しているようだ。その理由とは何か?
「AccessやExcelを用いたデータ管理に不満を持つユーザーは多い」と話すのは、デルのエンタープライズマーケティング本部でサーバ担当マネジャーを務める西田和宏氏。
Accessはもともと、個人が「スタンドアロン」の形で利用することを想定している製品だが、実際には、複数のユーザーで共有するデータベースとして活用する中堅・中小企業が多いのが現状だ。そして、「Accessでも十分」と言い切るユーザーが多く存在することも事実だ(関連記事)。
マイクロソフトのサーバプラットフォームビジネス本部、SQLサーバチームの野中智史氏も「共有しようと思えばできてしまうところがAccessの欠点かもしれない」と苦笑する。
だが、Accessでもなんとかなる、という意見を否定せずにいられるのは、1つのAccessデータベースを共有するのが数人までの段階までと考えなくてはならない。それ以上増えれば当然、複数のユーザーが同時にアクセスする時間が長くなり、使い勝手が悪くなったり、データの整合性が取れなくなったりといった状況に陥ってしまう。
さらに、各ユーザーがAccessを自分のPCのローカルフォルダにコピーして、データを参照し始めるといった事態になれば、もはや企業データとしての信頼性はないに等しくなってしまう。ここで、施行が予定されている日本版SOX法をはじめとした、コンプライアンス問題とも絡んでくる。
景気が本格的に回復し、多くの中堅・中小企業が「拡大路線」に移った今、こうした状況を放置すれば、それが企業にとって将来的に命取りになる可能性が出てきているのである。
そこで、Accessをリプレースする際に最有力となる製品の1つが、同じマイクロソフトのSQL Server 2005というわけだ。SQL Server 2005はもともとの製品コンセプトから考えても、パフォーマンスはもちろん、複数のユーザーとの共有のしやすさなども含めて、Accessとは比較にならないほど製品としての質が高い。情報活用を進める上でのビジネスインテリジェンス機能も含まれている。
また、64ビット版がリリースされていることによる拡張性や、ミラーリング機能によるハイアベイラビリティも確保されており、数年以内に大企業を目指すような急成長企業でも、安心して利用できることは明らかだ。
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