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» 2006年03月22日 22時25分 公開

「F5のフォーカスはアプリケーション」、新代表取締役の長崎氏

4月よりF5ネットワークスジャパンの代表取締役に就任する長崎忠雄氏は、アプリケーションとネットワークのギャップを埋めるソリューションを展開すると抱負を述べた。

[高橋睦美,ITmedia]

 「ロードバランサーから始まった企業だけに一般にはネットワークベンダーと見られがちだが、実はF5ネットワークスが一番フォーカスしているのは『アプリケーション』だ」――4月よりF5ネットワークスジャパンの代表取締役に就任する長崎忠雄氏はこのように語る。

 同社は3月22日に開催した説明会において、3年後の2008年度には、売り上げを2005年度の2.5倍に伸ばすとともに、日本法人の体制も現在の37名から75名体制へと拡大する戦略を発表した。ちなみに2005年度のF5 Networks全体の売り上げは約337億円で、日本法人はうち約14%を占めている。

 長崎氏はその目標達成に向け、「製品単体の機能ではなく、『Application Delivery Networking』(ADN)というソリューションを訴求していきたい」と言う。

 具体的には、代理店および大規模ユーザー向けサポート体制の強化を図るほか、今年中に大阪オフィスを設立し、販売エリアの拡大を図る。さらに、キャリア向け販売を強化し通信市場へ本格的に参入するほか、ソリューション展開を通じてエンタープライズ市場での認知度をさらに上げていきたいとした。

 ただし、従来どおり直販は手がけず、「販売代理店との緊密な関係を通して、安全で高速に、かつ安定してアプリケーションを届けるためのソリューションを提供する」(長崎氏)。2000年にF5ネットワークスに入社して以来、営業畑を歩んできたこともあり、「パートナーとの協業関係の強化に努め、顧客ニーズに合わせたソリューションを提供できるよう継続的に対話していく」(同氏)という。

高速性と安定性、安全性の「三位一体」を

 F5ネットワークスはもともと、トラフィック管理製品「BIG-IP」を軸にビジネスを展開してきたが、ここ数年は買収を通じて、SSL VPNの「FirePass」、Webアプリケーションファイアウォールの「TrafficShield」、WANアプリケーション最適化の「WANJet」といった製品をラインアップに追加してきた。

 その背後にあるのが、Webアプリケーションの配信において、高速性と安定性、安全性という要素を「三位一体」で提供するというADNという構想だ。F5ネットワークスはそれらの機能を、「TMOS」という独自OSの上に統合して提供していく。

 長崎氏は「インターネットを取り巻く環境には大きな変化が起きている。アプリケーションのWeb化が進み、その重要性がますます増すにつれ、アプリケーションはより複雑化してきた。一方でユーザー側の環境も、モバイル機器の普及や外出先からのアクセスといった具合にますます多様化している。こうした環境の中で、さまざまなユーザーに、アプリケーションをきちんと、安全にかつ高速に届けるにはどうするかが、F5ネットワークスのフォーカスだ」と述べた。

 同氏によると多くの企業で問題になるのは、「アプリケーションとネットワークのギャップ」だという。

 「アプリケーションがまず重視するのは機能であり、必ずしもネットワークのことを考えて作られていない。ネットワーク上で稼動して初めて、パフォーマンスやセキュリティといった問題に気付くことになる。そこであわてて単機能の製品を導入することになるが、すると今度は運用、管理が非常に大変になる」(長崎氏)。

 これに対しF5ネットワークスならば「1つで対応することができ、アプリケーションとネットワークのギャップを埋めることができる」と同氏は語った。

 もちろんADNという分野には、ジュニパーネットワークスをはじめ幾つかの競合ベンダーが存在する。それらに対し長崎氏は、TMOSという1つのプラットフォームに機能を統合していることに加え、専業メーカーとしての蓄積に強みがあるとした。

 「実は、ロードバランサーを提供していたころからF5ネットワークスではアプリケーションを意識してきた。これまでの蓄積に加え、インターネットの状況の変化や顧客の声を反映してきたことが、結果として好調な業績につながっている」(同氏)

 今後は、WANJetの展開などに力を入れていく計画だ。個人情報保護法や日本版SOX法を踏まえた内部統制強化の観点から、サーバを企業本社側に集約させようというアプローチに注目が集まっているが、それがパフォーマンス上のボトルネックを生じさせる可能性もある。WANJetはそうした部分にまさに「はまる」と長崎氏は述べ、パートナー戦略の練り直しなどに着手していくという。

 また、米国では既にさまざまな形で進んでいるOracle、SiebelやMicrosoftといったアプリケーションベンダーとの協業についても、「日本でどのように展開していくかが1つの課題になる」とした。

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