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» 2006年03月27日 08時36分 公開

MS、Oracle、IBMも本格参入? 注目されるビジネスルール管理システム

現在ビジネスアプリケーション市場で注目されているのがBRMS(ビジネスルール管理システム)だ。市場動向についてForrester Resarchのアナリストおよび、ILOGのハレンCEOに聞いた。

[怒賀新也,ITmedia]

 「Microsoft、Oracle、IBMなどが、ビジネスルール管理システムに強く興味を持っています。今後、この市場が盛り上がることは必至です」と話すのは、Forrester Researchのシニアアナリスト、ヘンリー・ペイレット氏だ。BRMS市場の重要性と今後の展開について、フランス・パリのILOG本社で取材した。

「BRMSは企業システムに柔軟性をもたらす牽引役として広く認知され始めており、まもなくそれが本格化するだろう」と話すForester Researchのシニアアナリスト、ヘンリー・ペイレット氏

 ビジネスルール管理システムとは、ルール設定、変更、操作、管理を包括的に提供することにより、企業の業務プロセスを効率化するシステムと定義される。例えば携帯電話のキャリアの場合、「3年以上利用しているユーザーの場合、基本料を10%割り引く」などがビジネスルールである。企業のシステムはこうしたさまざまなルールが集まって構成されており、それがシステム内でいわゆる「ハードコード」(関連記事)されているケースも多い。そこで、BRMSによって、ルールとシステムを分離して管理することにより、変化に柔軟に対応できるシステムの構築を目指している。

アイログがリリースしたBRMSの新製品「ILOG JRules 6」の画面。「if〜then」構文に沿ってビジネスユーザーが自らシステムを定義できる

 「ビジネスルールを書くこととコードを書くことは全く違う」と話すペイレット氏によれば、ビジネスルールが業務アプリケーションの中にハードコードされている場合、ビジネスルールの少しの変更でも、それがシステム内に与える影響を把握できず、その都度大がかりなテストを行うなどの手間が掛かってしまうという。

 ビジネスルール管理システム(BRMS)を導入することで、業務ルールとアプリケーションを分離できるため、メンテナンスのしやすさを含めてシステムとしての透明性を上げることができるわけだ。

BRMSはSOA成功のカギを握る

 また、同氏は「BRMSはSOA成功のカギを握っている」とも話す。背景には、現在欧米におけるSOA導入の考え方がレガシーマイグレーションと密接に絡んでいることにも関連している。「2007年問題」で危惧される現象は日本だけではなく、多くの欧米企業が今もメインフレームの基幹システムを稼働させている。

 SOAは、こうした既存のメインフレームの機能をサービスとして細かい単位に切り分け、新たにコンポジットアプリケーションとして再構成するための手段として利用されようとしている。そこで、新たに構築するコンポジットアプリケーションに、ビジネスルールを管理する「サービス」としてBRMSが組み込まれるわけだ。

 BRMSの中心ベンダーの1つであるILOGの創設者、ピエール・ハレンCEOは、「米国では例えばe-BayがわれわれのBRMSをベースにシステムを構築しています」と話し、数多くの企業が既にBRMSを活用してビジネスを優位に展開していることをアピールする。

「BRMSによってITとビジネスが本当の意味で融合する」と話すハレンCEO

 「BRMSとBPMを組み合わせることでシステムの自動化がさらに加速します。ビジネスユーザーが直接ビジネスルールを変更できることは、システムの俊敏性、柔軟性の観点から非常に強力なメリットになります」(ハレンCEO)

 冒頭で紹介したForesterのアナリスト、ペイレット氏の言葉通り、この重要な機能を提供するコンポーネントの獲得に大手アプリケーションベンダーが乗り出さないとは考えにくい。とりわけ、SOAによるシステム構築手法の展開では各社がしのぎを削っている状況だ。

 また、携帯電話の製品寿命が6カ月、あるいは3カ月とさえ言われるほど、製品ライフサイクルが短縮されている時代に、大前提となるのがいわゆるタイム・ツー・マーケットの考え方だ。この観点からも、俊敏性の高いシステム構築を可能にするBRMSが注目を集めている。BRMSは日本よりも欧米での認知度が高く、今後大手アプリケーションベンダーの本格参入も予想されている。ビジネスとITの統合、自動化、SOAといった現代のシステム構築におけるキーワードと深くかかわるBRMSが、今後のシステム開発のカギを握るかもしれない。

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