中国最大級の鉄鋼メーカーがサプライチェーン計画にILOGベースのツールを採用

アイログとShanghai FirstTechは、中国最大の鉄鋼メーカーBaosteelがアイログの最適化ソフトウェア「ILOG CPLEX」を基盤とする新しいソリューション「Enterprise Master Planning」を導入したと発表した。

» 2006年03月27日 08時39分 公開
[ITmedia]

 アイログと、上海を本拠とする大手インテグレーターであるShanghai FirstTechは、中国最大の鉄鋼メーカーBaosteelがアイログの最適化ソフトウェア「ILOG CPLEX」を基盤とする新しいソリューション「Enterprise Master Planning」(EMP)を導入したと発表した。

 FirstTechが開発、設計を担当したEMPは、全社規模のサプライチェーンプランニングを支援するもの。これによりBaosteelは、納期を大幅に短縮するとともに、これまで数日掛かっていた受注確認を数秒で処理できるようになった。さらに、計画の作成時間は以前の3週間から1週間にまで短縮されたとしている。

 Baosteelでは、これまでExcelをベースに手作業で計画作成を行っていた。1万種類以上の製品を90日以上の計画期間をかけ、1000社以上の顧客に納品していたという。だが、急速なビジネスの拡大や顧客ニーズの変化などにより、その方法では対応し切れなくなっていった。

 そこで同社は、受注処理を迅速化するためのサプライチェーンソリューションの導入を検討した。同プロジェクトは、2003年9月に実装し、2004年11月に本格稼働を開始。2005年第1四半期までには明確な導入効果が現れているとしている。

 Baosteelは、ILOG CPLEXを基盤としたEMPを活用することで利益目標、顧客種別、製品ライン種別、各工場の異なる生産能力といった複数の要素を考慮しながら、需要計画や経営基本計画の作成、納期回答、生産能力配分を行うことが可能になる。

 さらに、業務プロセスの効率改善、信頼性の高い納期回答、主要資産の最適な稼働、納期短縮も実現した。EMP は製造、販売各部門に統合プラットフォームを提供するため、部門間の連携が容易になり、顧客ニーズに柔軟に対応できるようになった。

 今回のEMPの導入により効率的な集中化システムを備えたBaosteelでは、サプライチェーン管理能力のさらなる拡大により、今後は、新規顧客の開拓、国内外の新規設備や新規工場の設立を検討している。

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