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» 2006年04月21日 16時14分 公開

テンプレートで簡単管理、LevantaのLinux管理アプライアンスが日本でも

ここ1年のLinuxworldでも革新的なハードウェアソリューションであるとして評価されているLevantaのLinux管理アプライアンスが日本でも購入可能となった。

[西尾泰三,ITmedia]

 Linux管理ソリューションベンダーのLevantaは2006年4月20日、CRMソリューションを手掛けるイーシステムと販売代理店契約を締結、同社のLinux管理アプライアンス「Levanta Intrepid M」の国内販売を同日から開始したと発表した。価格は最小構成で380万円から。

 Levantaは日本ではあまり知られていないが、その前身は、1990年代のLinuxブームに乗る形で華々しくデビューした「Linuxcare」である。LinuxcareはLinux全般に関するコンサルティングなどを行っていたが、その後事業フォーカスを変更、IBMのメインフレーム上で稼働するLinuxの管理製品として、Levantaという製品を世に送り出した。Levantaはその後x86への対応を進め、2005年7月にはFedora Coreベースの管理アプライアンス「Levanta Intrepid M」を発表、Linux管理者の不足に悩む企業への浸透を図った。

 Levantaのマーケティング・プロダクト担当ディレクターのデービット・デニス氏は、「LinuxはほかのOSと比べて種類も多く、その構成も多様。しかし、システム管理ツールはUNIXやWindowsほど成熟していない」とし、こうした管理アプライアンスの導入を導入することで、Linuxシステム管理の複雑さを解消できると説明した。

米国での事例として、米国ニューヨーク市立大学を紹介。同大学ではLinuxで運用するサーバ群が数百台存在していたが、Intrepid Mの導入によってこれまで8時間かかっていた管理作業が5分間で完了したという。

Levantaのマーケティング・プロダクト担当ディレクターのデービット・デニス氏

 Levanta Intrepid Mは、主要なコンポーネントを2重化した2Uサイズのラックマウント型アプライアンス。HDDは6台搭載可能で、そのうち2台はシステム用。ネットワークインタフェースにギガビットイーサネットを2ポート備える。Linux管理アプライアンスと銘打たれていることからも分かるように、ネットワーク上のLinuxマシンまたは仮想マシンに対するプロビジョニングのほか、バージョン管理、ロールバック機能などを備える。

展示されていたLevanta Intrepid M

 特徴的な点としては2つ。これらの機能が非常に高速であることと、同社がメインフレーム上のLinux管理を手掛ける中で蓄積されたノウハウが凝縮されていることである。メインフレームでは論理区画を設けることで、異なるOSを稼働させることが容易に行えるが、この論理区画を共有ストレージのリポジトリに作成し、そこからネットワークブートさせる方式を採ることで、高速なプロビジョニングを可能にしている。

 これらの操作はGUIから簡単に行えるようになっており、あらかじめ用意されたテンプレートを適応することで、場合によっては数分で仮想サーバがセットアップできてしまう。テンプレートはWebサーバやアプリケーション開発サーバ、メールサーバなど10個程度が用意されており、ユーザー定義のテンプレートも作成可能。今後、こうしたテンプレートをユーザー間でシェアできるようなコミュニティー作りも進めていければとデニス氏は話す。また、現在は40台以上のサーバを管理できるとしているが、これはレンダリングファームなど、同一の環境が並ぶようなケースにおいてであり、実際に管理可能な台数はもう少し少ないものと予想される。とはいえ、近い将来SANに対応する予定であるとしており、そうなれば仮想サーバに必要なディスク容量の割り当てもより柔軟に行えるため、大規模なシステム管理も可能になるだろう。

操作画面。3ペインの左がテンプレート、中央が物理または仮想マシン。テンプレートからプロビジョニングしたいサーバの種類を選択、それを中央のサーバアイコンにドラッグアンドドロップすることで、論理区画によってバーチャルサーバが生成される

 Linuxマシンのプロビジョニングなどを行える製品としては、マウンテンビュー・データの「PowerCockpit」なども存在するが、デニス氏は「論理的には競合と言えるかもしれないが、実際には競合になった案件もない」とし、自社が蓄積してきたデータ仮想化技術への自信を見せた。

 Levantaは、2006年2月、Linuxの管理に必要な労力をWindowsと比較した調査報告書「Get the Truth on Linux Management」公開、その際にデニス氏は来日しているが、このときはまだ日本におけるパートナーは決定していなかった(関連記事)。イーシステムをパートナーに選んだ理由についてデニス氏は、「Linux上のCRMシステムでノウハウを多く持っていることと、日本市場におけるスキルセットを豊富に有しており、それを学びたいため」と説明した。

 一方、イーシステムはどちらかと言えば変更管理やロールバックの機能に着目しているようだ。同社はCRMをコアコンピタンスとして事業を展開しているが、今後、日本版SOX法に代表されるようなセキュリティマネジメント事業の強化策として、システムの監査証跡を記録できる同製品を日本版SOX法対策ソリューションとして販売していく予定だ。2006年度は100システムを目標としており、最初の顧客として、大手通信業者に導入済みであることを明らかにしている。

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