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» 2006年04月25日 17時21分 公開

Intelが新たな技術ブランド「vPro」で狙うもの

インテルが新たに発表した「インテル vProテクノロジー」は、管理機能とセキュリティー機能を高めつつ、電力効率に優れたビジネスプラットフォームとして今年下半期から市場に登場することになる。

[西尾泰三,ITmedia]

 インテルは4月25日、新たなビジネスプラットフォームを支える技術ブランドとして、管理機能とセキュリティ機能を強化した「インテル vProテクノロジー」を発表した。同技術ブランドは以前まで「Averill」という開発コード名で呼ばれていたものだ。

 同日都内で開催された説明会では、インテルの代表取締役共同社長である吉田和正氏や、Intelデジタルエンタープライズ事業本部副社長兼プラットフォーム・コンポーネント事業部長のティム・ダン氏が、同技術ブランドがモバイル向けの「Centrino」やコンシューマ向けの「Viiv」と同様に、企業向けクライアントに向けた革新的な技術となるとアピールした。

vPro 新しいロゴ。左が吉田氏。右がダン氏

 ダン氏は、なぜ今、vProという新しいブランドが必要なのかについて、企業の競争優位性を高めるためであると説明する。同氏によると、現在、企業はITコストの9割近くを既存システムの維持・運用に充てており、新たな分野に対するIT投資が行えなくなっているという。

 企業内のPCサポートに目を向けると、その9割近くがリモートから解決できる問題で、ユーザーのPCにまで出向く必要があるものはほんのわずかであるという。しかし、そうしたデスクサイドまで出向く必要がある問題に掛かるコストは全体の半分近くになっていると指摘、電源が入っていなくとも、ソフトウェアエージェントが無効であろうとも管理できる機能があれば、この部分に掛かるコストは激減すると話す。そして、PCのセキュリティーと管理性に革新的な変化をもたらし、かつ、電力効率とコンピューティング性能の向上を実現するものがvProであるとした。

ダン氏 「vProのvの意味は?」の問いに、「特に意味はない」とダン氏

 vProを構成するコンポーネントとしては、デスクトップPC向けのデュアルコアプロセッサ「Conroe」(開発コード名)、グラフィック統合型チップセット「Intel Q965 Express」、「インテルPRO/1000ネットワーク・コネクション」などが挙げられ、そこに第2世代の「Intel Active Management Technology」(Intel AMT)と仮想化技術である「Intel Virtualization Technology」が実装される。

 企業のハードウェア資産の管理性を改善するための技術であるIntel AMTは、OSに依存しないため、例えば、電源の入っていないPCの監査や、ダウンしたシステムをリモートから管理することが可能となる。さらに、第2世代では、ポリシーで規定されていないパケットが発生した場合はネットワークから遮断することなども可能なため、ウイルスなどに感染したPCがネットワークに影響を与える前に隔離することなどが可能となる。

 さらに、Intel VTの実装により、単一のプラットフォームでも独立したパーティションを複数設定できるようになり、セキュリティ対策用に環境を構築するなどの施策が取れるようになる。

 すでに多くのベンダーからサポートが表明されており、説明会では日立製作所がIntel AMTと同社のJP1を連携させることで、コンプライアンスへの対応強化につなげるソリューションの展開を明らかにしたほか、シマンテックは、メインOSの外に隔離された環境を作り出すセキュリティーソリューションの構築で協業を発表した。また、MicrosoftもCEOのスティーブ・バルマー氏がビデオで登場、同社の次期OS「Windows Vista」に最適なプラットフォームであると賛辞を送った。

 Conroeによってワット性能を高めつつ、企業向けクライアントを想定し管理機能やセキュリティー機能を強化したvProは、今年の下半期が予想されるConroeプロセッサの市場投入と同時に本格的な普及を進めていくことになる。vProの今後の展開としてダン氏は、モバイル化、管理・セキュリティー機能の拡張、プラットフォーム全体の仮想化、コア数の増加などを挙げた。

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