新しいエンコーディングツールのリリースは、Windows Media Video(WMV)が標準認定されたことにより、より多くのコンテンツ企業によるMicrosoftフォーマットの採用を促すことになりそうだ。
Microsoftの無料のWindows Mediaツール群に最新のツールが追加され、また、全米映画テレビ技術者協会(SMPTE)により、Windows Media Video(WMV)がビデオ圧縮標準として認定されたことで、今後、より多くのコンテンツ企業がMicrosoftのフォーマットを採用することになりそうだ。
2006年5月にβ版がリリース予定の新ツール「Windows Media Encoder Studio Edition」は、ビデオ編集のプロフェッショナルユーザーがデータストレージや転送用のWindows Media Video 9(WMV 9)ファミリーのビデオ圧縮コーデックを使って、ビデオをオフラインでエンコードするためのツールだ。例えば、光学メディア(高解像度DVDなど)で出荷したり、ビデオオンデマンド番組として配信したりするために、フィルムやテープのデータを変換する際などに利用できる。
Windows Media Encoder Studio Editionは標準版のWindows Media Encoderを土台とし、1つのビデオファイル内の複数のセグメントに個別にクオリティ設定を適用する機能や、ハードウェアアクセラレーションのサポート、より小さなファイルサイズでより高いクオリティのビデオをキャプチャする機能など、各種機能が追加される。だが、Studio Editionは標準版のWindows Media Encoderと比べて、はるかに限られたシナリオしかサポートしない。例えば、WMV 9コーデックを使ってライブビデオをキャプチャ、エンコード、ストリーミングしたい顧客は、今後も標準版のWindows Media Encoderを使わなければならない。
Studio Editionのリリースに先立ち、WMV 9は先ごろ、全米映画テレビ技術者協会(SMPTE)により、VC-1標準として正式に認定されている。この標準化に向けたプロセスは2003年10月以来進められてきた。今回の標準認定により、企業は同技術のライセンスを直接Microsoftからではなく、広く信頼されている標準化団体を通じて取得できることになるため、今後はWindows Mediaコンテンツが増加するものと予想される。VC-1は既に、高解像度(HD)DVD向けの2つの規格、HD DVDとBlu-rayでサポートが義務付けられている3つのビデオコーデックのうちの1つだ。つまり、Microsoftは今後、HD DVDと再生機器の売上から特許権使用料を受け取れるということだ(サポートが義務付けられている残り2つのコーデックはMPEG-2とH.264だ。MPEG-2は現在広く採用されており、標準的なDVDビデオの基盤となっている。H.264はMPEG-4を基盤とし、AppleのQuickTimeビデオフォーマットで採用されている)。Universal Picturesは2006年4月、初期のすべてのHD DVDタイトルにVC-1コーデックを採用する方針を発表している。
新しいエンコーディングツールのリリースは、WMVがSMPTE標準として認定されたことと相まって、より多くのコンテンツ企業によるHD DVDへのVC-1採用を駆り立てることになるだろう。Windows Mediaフォーマットのコンテンツの増加により、Microsoftは特許権使用料を受け取れるほか、ホームエンターテインメント戦略の全体的な強化も図れるはずだ。
同社のホームエンターテインメント戦略では、各種ソースからのデジタルオーディオ/ビデオメディアを扱えるWindows PCや各種デバイス(Xbox 360など)が構想されている。
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