内部統制の「2年目以降」の運用負担を軽減するソフト、日本で発売

セキュリティ関連ソフトウェアベンダーの米FoxT, Inc.は、日本法人「FoxT Japan株式会社」を設立し、企業の全社的な内部統制強化を支援する「FoxT コンプライアンス・マネージャ」を日本向けに販売すると発表した。

» 2006年05月25日 08時00分 公開
[岡田靖,アイティセレクト]

 米FoxT, Inc.は、日本法人「FoxT Japan株式会社」を設立し、5月23日から日本向けに内部統制支援製品の販売を開始した。FoxTは1992年にスウェーデンで設立されたセキュリティ関連ソフトウェアベンダーで、現在は米国パロアルトに本社を置いている。

 今回、FoxT Japanが販売を開始した製品は「FoxT コンプライアンス・マネージャ」。設計・構築・運用・管理の各フェーズを通じて企業の内部統制強化を実現し、米国SOX法(Sarbanes-Oxley Act)や検討中の「日本版SOX法」への対応を支援するソフトウェアだ。出荷は6月末から開始される予定。

 「米国では、SOX法への対応に膨大な作業が必要となり、多額の費用が投じられました。日本版SOX法も、SOX法と同じく本質は内部統制を求めるものですから、同じように作業やコストの負担は大きいと予想されます。しかも、内部統制は1年だけで終わるものではなく、毎年のようにPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを繰り返さねばなりません」と、FoxT Japan 株式会社 代表取締役の西村耕三氏は語る。

 FoxT コンプライアンス・マネージャは、内部統制の設計・構築・運用・管理というサイクル全体の管理を自動化することで、このような課題を解決するという。例えば設計・構築段階では、米国でSOX法対応を手掛けたコンサルタントによって作成されたライブラリが用意されており、チェック項目を洗い出す際の参考に使うことができる。また、運用段階では常に最新の情報をモニターでき、リスクが生じる可能性がある場合には警報を発して改善を促すことも可能だ。

 「1年目には設計や構築の際に手間がかかるので、どうしてもコストがかかりますが、2年目以降は作業負担やコストを抑えることが可能になります」(西村氏)

FoxT コンプライアンス・マネージャの概要。経営層(図中の三角形の頂点)レベルの設計から現場(三角形の底辺)レベルの詳細な項目に落とし込む設計・構築段階ではライブラリが参考になる。そして、現場での日常的な運用や管理、全社的な報告の集約を自動化することで、内部統制による業務への負担を大幅に軽減し、コスト負担も軽減する(FoxT Japan資料より)。


 FoxTは、内部統制の管理を自動化する「ECCA」(Enterprise Compliance and Controls Automation)というコンセプトを掲げ、各製品を3階層のソリューションとして体系づけている。FoxT コンプライアンス・マネージャは最上位の「コーポレート・コントロール・スイート」に含まれる製品だ。他の製品も、順次日本市場に投入される予定となっている。第二弾は、第2階層の製品「FoxT アプリケーション・コントロール・スイート for SAP」。ERPシステム「SAP R/3」上での全トランザクションを監視したり、職務分掌(Segregation Of Duties)管理やセキュリティ監査などを行い、内部統制のプロセス自動化を支援する。出荷開始は9月頃になるという。

ECCAコンセプトの概要。最下層に位置する「アクセス・コントロール・スイート」はアイデンティティ&アクセス管理製品群「BoKSシリーズ」で構成されており、これらも日本市場への投入が計画されている(FoxT Japan資料より)。


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