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» 2006年06月05日 22時52分 公開

一歩先行く管理の「自動化」を目指すHP

HPでは、システム自身が理想の状態を維持するよう自動的に最適化を実施する「Model Based Automatio」(MBA)というアプローチの実現を目指している。

[高橋睦美,ITmedia]

 「ハードウェアもソフトウェアも規模が拡大し、複雑さが増す中で、ITシステムの管理を自動化し、運用コストを削減したいというニーズは高まっている。IT管理の自動化はITの効率を大きく左右することになるだろう」――先週開催されたHP World Tokyoに合わせて来日した米HP Labsのシニアサイエンティスト、スヴェン・グラウプナー氏はこのように語った。

 効率的なIT運用を実現していくには、コンソリデーション(統合)や仮想化など、いくつか抑えておくべきトレンドがある。自動化もその1つだ。特に「システムを標準化した上で、自動的にエラーを修正するような機能を持たないと、複雑化する環境の中で管理は困難になる」と同氏は言う。

 今の時点でも、スクリプトやワークフロー、イベントドリブン型の管理システムなどによって、ある程度の自動化は実現できている。

 しかしこれらは「自動化の第一段階であり、イベントをトリガーにして何らかの処理を実行するということを機械的に行っているだけ」(グラウプナー氏)。システム自身が現在の状況や達成すべき目標を認識しているわけではない。

 これに対し、HPが提案する「Model Based Automatio」(MBA)というアプローチでは、理想の姿を定めておき、それと現状とを比較してシステムが自動的に是正措置を取るという。グラウプナー氏はこれを「第二世代の自動化」だとした。

 MBAでは、まず理想の状態を「Desired State」(DS)というモデルとして定義するとともに、その環境を自動的に維持するための「コントローラ」というものも定義する。コントローラは、常に現在の状況を「Observed State」(OS)として観測し、継続的にDSとOSの差を比較、判別しながら最適化を実現していく。ちょうどセンサー付きの空調装置のように、人が介在しなくとも、必要に応じてあるべき環境に向けて補正を行っていくというイメージだ。

デモ MBAモデルでは、XMLで記述されたDesired State(DS)が維持されるよう自動的に処理が行われる

 ブレードサーバ上でOracle 10gが稼働している環境を例に取ると、「コントローラを通じて稼働状況を把握し、ディスク容量が不足すればSAN経由でストレージを自動的に追加したり、ワークロードが増加すればブレードを追加し、Oracleをインストールして設定するところまでを自動的に実行する。オペレータが状況に応じて手作業でやっていた作業を、システムが自動的に実施する」(同氏)という具合だ。

 同様の自動化コンセプトは、IBMをはじめ他の大手ベンダーも取り組んでいるところだが、「ワークフローの自動化にとどまらず、コントローラという概念を組み入れているのはHPだけ」という。

 HPではこのMBAモデルを、「HP OpenView Radia」で実装するほか、ブレードサーバ向けの管理自動化ツールなどに組み入れていく計画だ。また、既存のレガシー管理システムと連動できるAPIなども提供する方針で、将来的には「異なるベンダーの異なる管理システムを緊密に統合させ、自動化していくことを目指す」(グラウプナー氏)という。

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