Office 2007のコラボレーション機能を試す(1/3 ページ)

Office 2007 Beta 2に含まれる3つのソフト、Outlook、OneNote、Grooveのコラボレーション機能を使ってみた。

» 2006年06月06日 18時28分 公開
[Michael Caton,eWEEK]
eWEEK

 米MicrosoftのOffice 2007では、文書の共有や文書ワークフローの管理がこれまでよりも簡略化されるため、Office 2007は多くのユーザーにかつてないほど協調的な作業環境を提供することになるだろう。

 eWEEKラボでOffice 2007 Beta 2をテストしたところ、MicrosoftはOffice 2007では、企業が導入しているOfficeアプリケーションとバックエンドインフラに応じて小規模なワークグループから大規模なエンタープライズにまで対応できるコラボレーション機能を目指し、情報共有機能に重点的に取り組んだことが確認できた。

 Officeのコラボレーション機能を最大限に活用するにはOffice SharePoint Server 2007が必要だ。ただし、SharePointを導入していない企業や導入できない企業は今後も、Office 2007アプリケーションのネットワーク共有やピアツーピア(P2P)機能を介してコラボレーションを管理できる。

 クライアントレベルでは、ユーザーはOffice 2007の3つのアプリケーション(Outlook 2007、OneNote 2007、Groove 2007)で直接コラボレートできるようになっている。

 サーバサイドでは、Office SharePoint Server 2007により、Word、Excel、PowerPointで作成した文書でより協調的に作業するためのバックエンドが提供される。

 Outlookはユーザーにとって最も馴染みのあるMicrosoftのコラボレーションツールだが、その機能は予定表とタスクの最も基本的な管理にとどまる。だがeWEEKラボでテストしたところ、今回のβ版では、予定表の共有機能のほか、ユーザーの予定表の一部を外部のほかのユーザーに電子メールで送信する機能を介して、予定表をより実用的に共有できるようになっていた。

 テストでは、イベントの詳細に関して受信者に表示する情報の量や共有する予定表の量を定義できた(1日、1週間、1カ月などの単位で)。そうした情報をiCal形式の添付ファイルとしてOfficeで送信し、予定表のデータをメッセージ本体に含められるのも便利だった。

 また予定表の共有機能により、ユーザーは外部の人間とスケジュールを調整しやすくなるはずだ。ただし、ユーザーは予定表をMicrosoftのOffice Onlineに公開することもできる(そしておそらく、Outlookとの直接の統合を決めたベンダー各社のサービスにも対応するはずだ)。

 Microsoft ProjectとMicrosoft Accessで作成されたタスクも、Outlookクライアントと同期化される。

 Outlookには、分類とフラグ設定の新しい手法が含まれている。Microsoftは電子メール、予定表のアイテム、タスクの分類を容易にするために、カラーコーディングされたカテゴリーを追加した。フラグはカラーコーディングなしでOutlook内でタスクを作成するシンプルな方法として機能し、電子メールメッセージをタスクとしてフラグ設定するのも容易になる。

 カテゴリーとフラグはいずれもカスタマイズが可能だ。例えば、フォローアップ用にアイテムをフラグ設定しておけば、「今日」「明日」「1週間」など規定の期間内の締切りのリストからアイテムを選択できる。

 拡張型のTo-Do Barの追加も評価できる。このTo-Do Barでは、ユーザーの予定表とタスクアイテムが一目で把握できるような形で分類される。

OneNoteの統合

 Office 2007ではOutlookとOneNoteの統合が若干強化され、OneNoteは会合データを収集し、構造化するためのツールとして、より広範な応用が可能となっている。

 例えば、予定表のオブジェクトフォームには、OneNoteを起動し、関連する会合データをOneNoteの新規ページに自動的に配置するボタンが含まれる。

 タスク管理に関しては、OneNoteでアイテムをフラグ設定すれば、そのアイテムはOutlookタスクとなるようになっている。これまでのバージョンでは、ユーザーがアイテムをOutlookタスクとしてフラグ設定するなり、マークするなりしていた。フラグ設定ツールバーを使えば、タスクを別のユーザーに割り当てたりなど、タスクの詳細な管理も行える。

 OneNoteには、データの共有とコラボレーションを簡略化する2つの新機能が含まれる。OneNoteページを集めてNotebookを作成する機能と、ローカルコピー、あるいはネットワークドライブまたはOffice SharePoint Serverサイトに保存されたコピーのいずれかから、そうしたNotebookを簡単に共有する機能だ。

 eWEEKラボのテストでは、Notebookの共有は比較的簡単であることが確認できた。共有のロケーションとして、ローカルシステムかサーバのいずれかを指定さえすれば、あとはOneNoteが、ほかのユーザーに配布する共有Notebookへのリンクを備えたメールメッセージを作成してくれた。この機能は、Notebookのコピーを複数のコンピュータで同期化するのにも使用できる。ローカルコピーを共有する際には、受信者に適切な権限を与える必要があった。eWEEKラボでは、Windows XPデスクトップに管理者権限が必要だった。

 だが、この方法でNotebookを使用するには、ユーザーの側である程度の思案と計画が必要だ。ほかのユーザーが作業中の文書に加えている変更点を確認するためには、Notebookを定期的に同期するだけでよかった。だが、変更を調整するためのメカニズムはないため、一番最近の変更がそれまでの変更を上書きしてしまう。また、ユーザーはオフラインの要件についても考慮しなければならない。

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