環境や目的ごとに見る導入検討ポイントシンクライアントの真価を問う(2/2 ページ)

» 2006年06月20日 11時45分 公開
[宮本久仁男,ITmedia]
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・Case4:アプリケーションの動作に高い性能が必要

 このようなケースではネットワークブート型を用いるのがベターである。起動した後は、スタンドアロンのPCを使うのと大差はない。

 ただし、ディスクI/Oの性能が必要な場合には、シンクライアントを使わないほうがよいケースもある。

・Case5:ライセンスの問題から、ソフトウェアの利用環境を分離したい

 このような場合には、ブレードPC型の方式を採用した上で、当該OSにアクセスできるユーザーを限定するか、ネットワークブート型の方式を採用した上で、その環境にソフトウェアをインストールするようにして、ユーザーを限定しよう。

 ただし、このような方式を採用した場合でも、ソフトウェアの使用条件(ライセンス)については確認を取ること。

性能測定は不可欠――サイジング

 シンクライアントシステム導入時の課題の1つに「サーバのサイジング」がある。つまり、サーバ1台当たりの適正な収容ユーザー数をどのように見積もるかという話なのだが、これについては環境や求める性能、利用用途によってまちまちとなるため、明確に「これ」という解はない。

 したがって、シンクライアントに限らずではあるが、利用状況に基づいた環境を構成し、まずは少数の試行ユーザーによるテストを行って利用状況をモニタリングするなど、地道な性能測定とその結果を基にしたスペック決定を行う必要がある。

 また公開されている範囲では、NEC、Groupe Bull、Microsoftにより、Windows 2000 ServerにおけるWTSの性能測定を実施したときの情報が、MicrosoftのWebページより入手可能だ。この測定では、OSやサーバの性能は今のものとは異なるので、結果はそのままうのみにできないが、評価の観点やアプローチは参考になる。

宮本 久仁男

1991年NTTデータ入社。OS開発・維持管理、Web-DBシステム開発と管理、社内技術支援、CIOスタッフなどを経て、現在は技術調査業務に従事する。プライベートでもOSやネットワーク、セキュリティ関連技術に興味を持ち、各種検証や発表/講演を行っている。PMP、RHCEなどの資格を持ち、個人としてMicrosoft MVP (Windows - Security)を受賞している。


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