MSのWinHEC TokyoはVista情報満載

マイクロソフトは6月20日、東京・品川でWinHEC 2006 Tokyoを開催した。今回のWinHECは、次世代クライアントOSであるWindows Vistaほぼ一色の内容となった。

» 2006年06月20日 21時11分 公開
[柿沼雄一郎,ITmedia]

 6月20日、マイクロソフトは東京・品川のホテルでWinHEC 2006 Tokyoを開催した。WinHECは同社のハードウェアパートナー向けカンファレンスで、今回は次世代クライアントOSであるWindows Vistaほぼ一色の内容となった。東京のWinHECは、5月のシアトルと6月の台北に引き続いての開催となり、シアトルで行われた内容から主要なトピックを選んで各セッションが組まれている。

 セッション数は全部で35(うち29が英語で日本語同時通訳あり)で、新しいデバイスドライバやプリントドライバの説明、ネットワークおよびストレージに関する技術解説など、Vistaへ新たに搭載される機能にまつわるものが30セッションにものぼる。残り5セッションがLonghornと仮想化に関するものなどだ。

 マイクロソフトはハードウェアパートナーに対し、Vistaへのスムーズな移行を促すためのWindows Vista Capable PCプログラムやデバイスの動作保証を表すロゴプログラムを実施している。さらに、この7月にはVista向けのソフトウェアコンテストを開催する予定だ。今回のセッション内容も、こうした並々ならぬVista移行への注力ぶりが伺える。

 そのWinHEC Tokyoの基調講演では、マイクロソフト Windows本部 本部長であるジェイ・ジェイミソン氏が登壇した。数々の革新的な特徴を備えて2006年11月に登場する予定のVistaは、Windowsのロードマップ上、非常に重要な製品となる。その理由をジェイミソン氏はこう説明する。

Windows本部 本部長 ジェイ・ジェイミソン氏

 PCは過去5年の間に性能向上やインターネットなどの普及で大きなポテンシャルを持つようになった。それとともに、情報過多やセキュリティの問題など、ユーザーに対する課題も出現している。Vistaは、このような現状に対して価値ある提案ができる製品であるからだとジェイミソン氏。それが、Vistaの3つの柱となる「3C」キーワードに表れている。

 その3Cとは、「Confident(自信:安定性と安全性)」「Clear(きれいな、はっきりとした:美しく分かりやすい見た目と操作性)」「Connected(接続された:ネットワークやデバイスの接続が自在に)」だ。

 「こうしたVistaの持つ特長が、ユーザーによりリッチなエクスペリエンスを提供し、パートナーにはビジネスチャンスを与えていく」(ジェイミソン氏)

 また、米Microsoft Windows ハードウェア プラットフォーム エバンジェリズム ゼネラルマネージャのマーシャル・ブルーマ氏は、この特徴をビジネス、モバイル、コンシューマの3つの分野で革新をもたらす新機能として紹介した。

Microsoft Windows ハードウェア プラットフォーム エバンジェリズム ゼネラル マネージャのマーシャル・ブルーマ氏

 「ハードウェアを利用したドライブ暗号化のBitlockerなど、セキュリティには最重要課題として取り組んでいる。検索機能も大幅に強化し、TCP/IPスタックもIPv6の利用とともに書き直されて高速化した。ReadyBoostやReadyDriveは効率的なパワーマネジメントを実現してモビリティを高める。ハイデンシティの映像や音楽を扱え、リッチなコンシューマコンテンツを提供する。Windows Rallyはワイヤレス機器の接続性をさらに高めて利便性を追求した」(ブルーマ氏)

 Vistaのこうした新機能は、ハードウェアの可能性を広げて、パートナーへビジネスバリューを提供するものでもあるとブルーマ氏は言う。さらにWindows Liveや先ごろ発表した新興市場に向けたプリペイドモデルのFlexGoについても言及し、「どちらもハードウェアとの組み合わせによる新しいビジネスモデルであり、われわれが最重要視しているものの1つだ。テクノロジーのパワーおよびPCのエコシステムと合わせて、新たな分野でのパートナー協業を実現していきたい」と述べた。

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