Exchangeメールの迅速な検索で法規制対応を支援、ワイ・イー・データ

ワイ・イー・データはMicrosoft Exchange Serverのメールデータ回収/検索ソフトウェアの新バージョン「PowerControls 4.1」を発表した。

» 2006年06月21日 17時06分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ワイ・イー・データは6月21日、Microsoft Exchange Serverのメールデータ回収/検索ソフトウェアの新バージョン「PowerControls 4.1」を発表した。日本版SOX法や新会社法といった法規制上要求される電子メールの保存/回収作業を支援するツールとして提供していく。

 PowerControlsは、米Ontrackが開発したメールデータ回収/検索ソフト。バックアップデータの中からExchange Serverのデータベースファイル(EDBファイル)を回収し、メールボックス内のデータを検索したり、コピーできるようにする。

PowerControls PowerControlsでは、特定の文字列をキーに本文や添付ファイルを検索し、該当するメールを一覧表示できる

 PowerControlsは、バックアップファイルからEDBファイルへの復元を行う「PowerControls Extract Wizard」と、EDBファイルを元にメール本文や添付ファイルの検索、閲覧などを行える「PowerControls on Workstation」から構成されている。元となるバックアップデータは、標準でMicrosoft NT Backupによるものが利用できるほか、オプションのエージェントソフトを組み合わせればVeritas Backup Exec/NetBackup、BrightStor ArcServerなど主だったバックアップソフトが利用できる。

 特徴は、稼動中のExchange Serverと同一の環境を構築することなく、バックアップデータを元にメールボックスを読み取れること。通常は復元が困難な、異なるバージョンのバックデータであっても、同じようにメールの検索、閲覧が可能なため、サーバ移行作業を容易に行えるといった効果ももたらす。

 また、1つのデータベースファイルに含まれるメールボックスを1つひとつ開いて確認することなく、一括して検索を行える点もメリットという。

 新バージョンではさらに、同一のEDBファイル内にあるメールのトレースを行える機能が加わった。特定のメールについて、誰が送信し、受け取り手は誰で、返信や転送といった処理がどのように行われたかを時系列的に追いかけることができる。また、同一の添付ファイルを持つメッセージを一覧表示することも可能だ。さらに、検索条件や結果をファイルとして保存し、後のレポートや詳細な調査に役立てる機能も追加されている。

 米国では大手証券会社5社が、電子メール通信の記録保持義務を怠って規定に背いたとし、証券取引委員会(SEC)から罰金を科せられている。ワイ・イー・データではPowerControls 4.1を、こうした事態に備えた電子メールの保管と検索を支援し、内部統制を実現するための製品として提供していく。

 PowerControls 4.1はExchange Server 5.5/2000/2003に対応しており、インタフェースは英語のままだが、検索などの内部的な処理は2バイト言語をサポート済みだ。価格は、15日間限定で利用できる「One-time Edition」が15万7500円、「Standard Edition」は17万8290円。

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