弥生の飼沼新社長が拡大路線を強調

弥生は6月12日付けで、平松庚三前社長が会長職に就任すると同時に、副社長だった飼沼健氏を社長にする人事を行うと発表した。新社長の飼沼氏に話を聞いた。

» 2006年06月21日 20時31分 公開
[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 弥生は6月12日付けで、平松庚三前社長が会長職に就任すると同時に、副社長だった飼沼健氏を社長にする人事を行うと発表した。1月からライブドア執行役員社長兼CEOの職を兼任してきた平松氏は、ライブドアでの活動に専念する説明する。一方で、ライブドア事件の影響を受けることなく順調なビジネスを展開する弥生は今後、どのような方向に進むのか。新社長の飼沼氏に話を聞いた。

社長として気を付けていることについて「収入を増やし、支出を減らすこと」とシンプルに答える飼沼新社長

ITmedia 新社長に就任して弥生のビジネスをどうとらえていますか。

飼沼 これからさらに拡大路線にシフトする予定です。弥生は以前、米Intuitの傘下にあり、経営陣による株式買収(MBO:Managing Buy Out)によって独立しました。その際に金融機関から借りたキャッシュの返済が最近の弥生にとって問題の1つでしたが、既にそれを完済しました。身軽になった現在、「小中規模の企業を支援する」をコンセプトに拡大を目指すのみです。

ITmedia 具体的にはどんなことに取り組みますか。

飼沼 縦と横に分かれます。縦は、既存のスタンドアロンで使う弥生会計などのユーザーを、インターネット対応製品であるNEシリーズ(会計、販売、給与)へとアップグレードしてもらうことです。一方で、横は会計事務所を支援するための「弥生PAP(Professional Advisor Program)」というパートナープログラムを進めることです。会員数は3000社にも上ります。弥生PAPは、顧問先企業が業務ソフトを運用する際のコンサルティングノウハウの提供や弥生オンラインローンなどの顧問先向けサービスも提供するものです。

ITmedia NEシリーズでLAN/WAN対応したことによって、ユーザーにはどんなメリットがありますか。

飼沼 複数拠点、複数ユーザーが同じ環境を利用できることによって、利便性が向上します。データの入力作業を、例えば東京と名古屋で分担することができるため、月末の締めの作業などの負担を分担できます。

ITmedia 弥生製品はコンタクトセンターで効率的に顧客の声を拾っていると聞きます。

飼沼 われわれはコールセンター業務を独自にやっており、エージェントの数は120名から160名と大規模です。エージェントには商品知識や操作方法など、さまざまなスキルが要求されるため、教育には力を入れています。中には、弥生のコールセンターでの経験を生かして、税理士を目指している人もいます。ライブドアが買収した化粧品会社のセシールのコールセンターのトレーニングを弥生のコールセンター長が務めるなど、定評があるのです。コールセンターを含め、自社の強みを生かして今後のビジネスを展開していく考えです。



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