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» 2006年07月05日 11時00分 公開

今どきのバックアップ入門:シャープによるストレージ統合“ビフォーアフター” (1/2)

シャープIT戦略企画室情報セキュリティー推進部部長の小山典之氏は「データストレージEXPO」の専門セミナーで、現在取り組むストレージ統合やその課題について紹介した。

[木村真,ITmedia]

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「最新テクノロジーで効率化! 今どきのバックアップ入門」でご覧になれます。


統合ストレージ環境を構築して狭いサーバ室を有効活用

 液晶テレビや電化製品、携帯電話などを開発し提供してきた大手メーカーのシャープは、本社に約2万3000人、グループすべてを含めると5万人以上もの社員が在籍する。そんな同社の業務を支えるサーバだが、以前は事業所ごとに設置されていた。というのも、奈良の天理のマシン室にはメインフレームのサーバ群が収納されているが、2000年以前は各事業所のサーバを設置するスペースがなく、当時は集中管理するのに適したソフトウェアもなかったという。

小山典之氏 シャープ 経営企画室 IT戦略企画室 情報セキュリティー推進部部長 小山典之氏

 2000年、非効率な運用管理に終止符を打つべく、同社はサーバとストレージディスクをSCSI接続し、SAP R/3の統合サーバを導入。ハードウェアは小型で高性能のものを採用して、マシン室のスペース問題を解決、運用管理につてはノウハウを蓄積していくことにより、ある程度の効率化を可能にしたという。こうした成功で自信を培ったシャープはその後、全社のサーバを統合する方針を打ち出す。

 2002年、いよいよストレージ統合への取り組みは本格化する。まず、サーバごとにディスクの使用率が異なり、空き容量が無駄に存在する状況を改善すべく、個々のサーバごとに接続していたディスクを共有ディスクに置き換えることになった。

 この取り組みは、コスト的にも非常に効果が出ており、年間30台ずつ増加して現在は140台以上にも膨れ上がったサーバも、実質17台のディスクアレイで対応できているという。運用業務の面でも、効果があった。個別運用から集中運用へと移行したことで運用設計も標準化され、システム管理者は運用にとられていた時間を開発へと回すことができ、生産性が一気に向上した。

 ストレージ構成について、「予算の関係などから大規模ディスクアレイや、ダイレクタによる高価なSAN環境のみを構築するわけにはいかなかった。当時はダイレクタなどが高価だった」(小山氏)。そこで、64ポートのダイレクタ2台と24ポートのスイッチ5台を冗長構成し、大規模ディスクアレイ9Tバイト分、中規模ディスクアレイ7Tバイト分で構成された大・中規模サーバ用SANと、冗長接続した24ポートのスイッチ1台と仮想化装置1セットに、中・小規模ディスクアレイ5Tバイト分で構成された中・小規模サーバ用SANの2つを運用する形となった。

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