メインフレームクラスのハイエンドサーバ市場にも、Linuxは着実に浸透しつつある。
例えば、IBMのメインフレーム「eServer zSeries」では、すでに3割以上でLinuxが稼働しているという。IBMは早くからメインフレームにLinuxを搭載する動きを見せており、2000年には「S/390」用のSUSE LINUXを出荷している。ノベルが買収する以前のSUSE LINUX Enterprise Server 7はぷらっとホームから、SUSE LINUX Enterprise Server 8は「Turbolinux Enterprise Server 8 powered by UnitedLinux for zSeries」の名称でターボリナックスからOEM調達していた。現在では、ノベルがSUSE LINUX Enterprise Server 8/9 for IBM Main framesを提供している。なお、Red Hat Enterprise LinuxにもS/390およびzSeries用があるが、主流はSUSE LINUXになっている。
ちなみに、メインフレーム向けのLinuxはNECも手がけており、Itanium 2を搭載した同社のメインフレーム「ACOS i-PX9000」では、Red Hat Enterprise Linuxが提供されている。また、プロプライエタリなメインフレームではないが、Itanium 2を搭載したHPのハイエンドサーバ「Superdome」では、Red Hat Enterprise LinuxまたはSUSE Linuxがサポートされる。
もう1つ、Linuxが伸長しているのが、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の分野である。技術演算系の超並列コンピュータには、もともとLinuxがよく利用されてきたが、最近では金融系を中心にHPCの導入も進み、それに伴ってLinuxも多く導入されている。この分野では、グラフィックスを中心としたエンジニアリング分野に強いSGIが大手サーバベンダーの一角を切り崩している。
このコンテンツはサーバセレクト2006年3月号に掲載されたものを再編集したものです。
Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.