MS、検索結果からスパムを排除する新プロジェクト(1/2 ページ)

Microsoftは、スパムサイトのURLを突き止め、検索エンジンから無用な検索結果を排除する新しいアプローチに取り組んでいる。

» 2006年07月14日 17時16分 公開
[Ryan Naraine,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftの研究者らが、広範囲に活動する検索エンジンスパマーを突き止めて無効にする野心的な新プロジェクトに取り組んでいる。

 同社サイバーセキュリティ&システム管理研究部門は、コンテンツに依存しない分析手法を通じて検索スパマーを自動検知する試験的プロジェクト「Strider Search Defender」を公開した。

 Microsoftの先行する研究プロトタイプである「Strider HoneyMonkey」と「Strider URL Tracer」の技術を統合したもので、検索エンジンクエリーによる無用な検索結果を取り除くための新しいアプローチを約束する。

 「現在のWebはスパム行為にひどく侵されており、ほとんどすべての検索クエリーでスパムサイトが見つかっている」と新プロジェクトを率いるMicrosoftのリサーチャー、イ−ミン・ワン氏はeWEEKの取材で語った。「新たなアプローチを通じて大規模なスパマーを検知し、独自の手法で撃退する」とも。

 ブロガーがコメントスパマーを回避するためのツールを提供するAutomattic Kismetのデータによれば、全ブログコメントの93%がスパムによるものだという。ワン氏のチームはStrider Search Defenderで、URLリダイレクション分析を使ったコンテキストベースのアプローチを採用してスパマー検知を試みている。

 「スパマーが成功するためには、何百万件もの偽装コメントを掲示板やブログに載せなければならない。これが唯一、検索エンジンに取り上げてもらう方法だ。検索エンジンのインデックスに取り込まれる前にこれらを検知する手法を見出せれば、問題は解決する」(ワン氏)

 「彼らは検索エンジンの目に止まることを狙っている。スパム行為の動機はまさにそこにある。ならば私たちが彼らを見つけ出してみせる」と同氏は言い添えた。

 この問題は、Google、Yahoo!、MSNが提供しているペイ・パー・クリック広告プログラムで金もうけを企むスパムブログ(スプログとも呼ばれる)の利用と関係している。偽装ブログに掲載されているコンテンツには、正規サイトから盗用したテキストの一部や、スプログ作成者に関係のあるサイトへのリンクが極端に多く含まれていることがよくある。彼らの唯一の目的は、関連サイトの検索エンジンにおけるランキングを引き上げ、知らずに誘導されたネットサーファーによる広告インプレッションでもうけることだ。

 ワン氏は新プロジェクトの早期段階で、成功している大規模なスパマーは、数多くの「ドアウェイページ」を大手のドメインに作成し、検索エンジンユーザーに偽装サイトへのリンクをクリックさせていることに着目した。GoogleのBlogger、Yahoo!のGeoCities、AOLのHometownサービスがドアウェイページの設置に使われていることは良く知られている。

 設置されたドアウェイページは、大量のフォーラム、ブログコメント、アーカイブされたニュースグループにスパムされ、特定キーワードに対する検索結果の上位にランクされるようになる。検索結果に表示されたドアウェイページのリンクをクリックしたユーザーは、スパマーが管理するターゲットページにリダイレクトされたり、またワン氏によれば、ブラウザがスパマーが運営する広告リストにリダイレクトするか、広告リストを読み込むよう仕向けられる場合があるという。

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