リナックスを含む環境で統合管理が必要とされているこの会社のあのソリューション Red Hat Network with eXsenju後編(1/2 ページ)

野村総合研究所の運用管理ツール「eXsenju」と、Red Hat Network Satellite Serverとの連携に関して両社が提携。その背景を担当者に聞いた。

» 2006年07月18日 07時00分 公開
[岡田靖,アイティセレクト]

今回の提携に関わった、NRI千手サービス事業部 営業担当課長 和田秀樹氏とレッドハット マーケティング部 部長 大越章司氏の2名に話を聞いた。

――協業に至った理由は?

大越 なんといっても、リナックスサーバーの使われ方が拡大していることが大きいでしょうね。企業のシステムには、すでに多数のリナックスサーバーが使われるようになっており、それらを一括でセキュアに管理したいというニーズが高まっているのです。

 また、リナックスサーバーはスケールアウトによって拡張することが容易なので、台数を増やすことでシステム規模の拡大を進めている企業が多いのですが、その結果として、サーバー台数がどんどん増えているという事情もあります。

和田 Red Hat Enterprise Linux(以下、RHEL)は、日本市場のリナックスの50%以上を占めており、ハードウェアベンダーもほとんどがRHELをサポートしているなど、デファクトになりつつある状況です。実際、eXsenjuのエージェントライセンスの売れ行きでも、リナックス版が非常に増えてきているのです。「Red Hat Network」(以下、RHN)は、そうしたRHEL環境においてセキュリティパッチなどをダイレクトに受けられるサービスとして欠かせません。

大越 RHNは、最近半年〜1年ほどの間に、採用例が増えてきました。サテライトモデルに関してはこれからという感触ですが、金融系やデータセンターなど、台数の多いユーザーを中心に引き合いが出てきています。

 基幹系では、特に外部のネットワークとの接続を避けたいというニーズが強いので、通常の方法ではオンラインでアップデートすることができません。しかし、RHN Satellite Serverなら、外部から切り離された環境でも最新のアップデートを自動的に適用できます。

 このように、RHNはリナックスのみの環境では便利だと自負していますが、他のOSが混在した環境では弱いというのが課題でした。実際、多くの企業はマルチOS環境でシステムを構築しているのです。そのようなシステムで管理効率を向上させるには、RHNだけで実現できません。そこで、eXsenjuと組めば、幅広い管理が可能になると考えたのです。

 eXsenjuは、マルチプラットフォームに対応した運用管理製品として、すでに皆様もご存知だと思います。大規模なシステムの監視が可能ですし、これまでの実績も豊富にあります。モニタリング機能が充実しており、グラフ化して表示したり、プロビジョニングを行うなどの便利な機能も数多く備えています。さらに、NRIの技術力には全幅の信頼を置いています。

和田 ツールであるeXsenjuとしては、基幹系システム全体を見るように作られています。UNIXやウィンドウズと同じように、リナックスにも以前から対応してきています。パラメーター的にも同レベルの対応をしてきました。また、対象サーバーの環境に手を加えず監視できるエージェントレス監視機能においても、その提供を開始した最初の時点から、Red Hat Linuxも監視対象OSの1つとしてきちんと対応しています。

 しかし、こうした対応をしていく中で、より一層の高度な管理が必要になると感じていました。ユーザーの環境をより良くしていくためには、例えばOSの深いところまで知り尽くした専用の管理ツールと連携し、より高いレベルで自動化できるようにしていこうと考えたのです。

株式会社野村総合研究所千手サービス事業部営業担当課長の和田秀樹氏
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