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» 2006年07月20日 09時00分 公開

ファイバチャネルか?IPか? SANテクノロジー最前線:IP-SANの登場の理由とは――ファイバチャネルの課題を考える (1/2)

SANの主流であるファイバチャネル。そのメリットとデメリットを考え、IPを利用したIP-SANが登場した理由を考察しよう。

[ITmedia]

FC-SANのメリット

 第1回でも述べたように、SANにはDASに比較して多くのメリットがある。

 パフォーマンスは、サーバとストレージの1対1の関係で見れば大きな差異はない。しかし、サーバから別のサーバのデータのやり取りでは、ネットワーク上でファイル転送という手段を使わないため、結果的に大きな性能向上が見込める。アプリケーションから見れば、ローカルのストレージと同様にデータアクセスが可能であり、枠組みを変更することはない。

 拡張性も優位性は高い。FC-SANを構築してしまえば、サーバやストレージの増設が短期間で行えるほか、サーバ環境を意識せず、独立してストレージの設定と拡張が可能になる。

 また、サーバやストレージの距離がDASに比較して長く、設備を柔軟に配置できる管理面でのメリットもある。これにより、遠隔地の拠点を接続したミラーリングによるディザスタリカバリシステムも容易に構築できる。

 もちろん、複数のストレージを一元管理できるのが、大きなメリットであることは言うまでもない。例えば、ストレージのデータをテープにバックアップする業務を考えてみよう。DASでは、サーバに直接接続されたテープドライブを利用し、すべてのストレージのバックアップ作業を行わなければならない。ところがFC-SANでは、同じくSANに接続されたテープライブラリを操作して、ストレージからのバックアップが行える。そのバックアップ作業の管理負荷は大きく削減できることになる(図1)。

図1 バックアップの一元化を実現、作業の負荷が軽減できる

 ストレージを共有、統合することで、サーバは個別のストレージを持つ必要がなくなれば、ストレージ利用率が向上し、無駄な空き領域を削減できる(図2)。こうした運用管理面のメリットも大きいと言えるだろう。

図2 ストレージの容量を効率的に利用できる

 可用性は、特にクラスタリング環境でのメリットが大きい。DASの場合は、基本的に1対1のクラスタ構成を組む必要がある。しかし、ストレージが独立しているSANでは、n対1のクラスタ構成も可能だ。これにより、待機系サーバの台数を削減できる効果があるほか、サーバの機種変更にも柔軟に対応する。

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