慶應義塾が全教職員へNotionを導入し「AIキャンパス構想」を推進する。生成AI時代に同塾が目指すナレッジ管理とはどのような形なのか。数あるツールからNotionが選定された理由とは。
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Notion Labs Japanと慶應義塾は、同塾の全教職員に対して「Notion」を導入することを発表した。両者は包括的連携覚書(以下、MOU)を締結し、「AIキャンパス構想」の実現に向けて同塾のナレッジマネジメント基盤の整備を共同で推進する。
「ChatGPT」の登場による生成AIブーム以前から、慶應義塾は「AIホスピタル」への協力や「AI・高度プログラミングコンソーシアム」の設立などAIに関する取り組みを強化してきた。AIキャンパス構想はその延長線として、教育や研究におけるAI活用、セキュリティの確保、事務部門の高度化と人員強化などを目指す。
その実現に向けて、同塾はなぜNotionの全学導入に踏み切ったのか。
慶應義塾の塾長を務める伊藤公平氏はNotion導入の理由について以下の3点を挙げた。
Notionはタスク管理やデータベース機能を備えたメモアプリケーションとして利用が広がった。現在は、蓄えたメモやデータベースをAIで検索・要約したり、特定のアクションを自動化したりできる「Notion AI」も提供しており、この機能が今回、AIキャンパス構想を掲げる慶應義塾が導入するきっかけとなった。
今回の覚書においては、「統合的な知識・業務の管理基盤の構築」「大学の生産性向上」「学生のAI活用促進」「成果の国内外への共有」を両社が共同で推進するとした。Notion Labs Japanの西勝清氏(ゼネラルマネジャー アジア太平洋地域担当)は「まずは、人とAIとの協働で、6割の『仕事のための仕事』を価値創造に変える。ここからスタートしたい」と述べ、情報検索や議事録・報告書作成、タスク管理などの作業をAIが代替し、人間は教育や研究などの本来の業務に集中できる体制を目指すことを強調した。
まずは学内の各種規定や報告書などの情報を連携させ、問い合わせ対応や会議運営、報告書作成など効率化しやすい業務からNotionの活用に着手する。今後、全学の情報集約や、研究室運営の効率化などにも活用する予定だ。
業務に関する大量の情報をいかに整理し参照させるかで、AIの回答品質は大きく変わる。開発者がGitHubのリポジトリをAIに参照させるように、ビジネスパーソンも普段から利用しているナレッジマネジメントツールのデータをいかにAIに連携させるかが重要だ。「Microsoft 365」や「Google Workspace」「Slack」などがそのための“ナレッジのハブ”になろうとさまざまな機能をリリースしている。その中でNotionがどのように存在感を示すのか、今後も注目したい。
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