ジュース1杯の間が3秒に、ブルーコートのWAN高速化技術

ブルーコートシステムズが「Proxy SGシリーズ」に搭載したWAN高速化技術「MACH5」は、セキュリティ面にも配慮しているという。

» 2006年07月21日 10時45分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ブルーコートシステムズは7月20日、4月より出荷を開始したWAN高速化技術「MACH5」に関する説明会を開催した。

 MACH5は、キャッシュ/プロキシ機能やセキュリティコントロール機能などを備えた同社のアプライアンス「Proxy SGシリーズ」の機能の1つとして提供されており、本社-拠点間に対向で設置して利用する。すでに、WANを介したCIFSやMAPIの高速化を目的に、導入に向けたトライアルに入っている企業もあるという。

 「体感速度で言うとある例では、これまで5MB程度のファイルをダウンロードするのにジュースを1杯飲むくらいの時間がかかっていたのが、MACH5テクノロジによって3秒程度で済む」(同社SEマネージャの小林岳夫氏)。

 WANアクセスの高速化が求められる背景には、各地に分散していたサーバを本社側やデータセンターに集約させようとう企業側の動きがある。しかし、MAPIやCIFSのように、元来LANでの利用を想定して作られていたプロトコルをWAN越しに動かすと、効率は非常に悪い。ただ帯域を追加するだけではこの問題は解決できないという。

 これに対しMACH5では、2種類のキャッシュ技術とgzipでの圧縮、diffservによる帯域幅管理、代理応答などによるプロトコル最適化という5つのテクノロジを組み合わせ、WAN越しのデータセンターへのアクセスを高速化する(関連記事)。具体的には、HTTPのほか、MAPI、CIFSといった元々LAN向けに作られたプロトコルの高速化を実現。さらに、SSL通信やビデオストリーミングコンテンツについても高速化できる。

 「普通ならばSSL通信の中身は見えないが、その見えない通信を踏み台にして感染しようとするスパイウェアなどが入ってくることもある。SSLについても『見える化』し、高速化してコントロールできるようにする」(小林氏)といい、WAN高速化のみならず、セキュリティの側面も考慮している点が特徴だと述べた。また、CacheFlow時代から培ってきたキャッシュ/プロキシ技術やノウハウを反映させることで、きめ細かく高速化を行える点も他にはないメリットという。

 法規制への対応や管理コスト削減といった理由により、「メールサーバやファイルサーバをデータセンターに集約しようという動きは確実にある。プロキシやキャッシュよりも、WAN高速化の市場のほうが大きくなると予測している」(ブルーコートシステムズの代表取締役社長、河田英典氏)

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