標準が確立されていないブレードサーバ市場にあって、IBMがイノベーションを武器にシェアを握っている。しかし、そうした付加価値は、「オープンさ」を次第に奪っていく危険性もはらんでいないか?
IBMは米国時間の8月1日、AMDの次世代Opteronを搭載するBladeCenterやSystem xサーバを発表、併せて、データセンター全体の電力消費を抑える取り組み、「CoolBlue」構想も披露している。こうしたイノベーションは、顧客に大きな付加価値をもたらす一方、x86サーバの最大の恩恵である「オープンさ」をブレードサーバから次第に奪っていく危険性もはらんでいないか? BladeCenterとSystem xのソリューションを担当するディレクター、ジュヒ・ジョトワニ氏に話を聞いた。
ITmedia 今回発表された「CoolBlue」構想は、サーバ単体のみならず、ラック全体、あるいはデータセンター全体の電力消費や空調の状態まで監視しようという意欲的なものですが、大半の企業はほかに手を付けなければならないところがたくさんあり、その意味では、いささか先を行き過ぎているような気がします。
ジョトワニ IBMは、ハードウェア、ソフトウェア、サービスなど多岐にわたるビジネスを展開しており、顧客らからビジネスレベルやITレベルのフィードバックを得ています。それらは、ハードウェア単体、ソフトウェア単体というわけではありません。メインフレームで培ってきた仮想化であるとか、AIXのクラスタであるとか、ほかにIBMが所有する技術を活用し、顧客らの課題に対処できるわけです。
今回発表した新しいOpteronサーバも、システム管理、仮想化、電力効率、クーリング、OS、ミドルウェア、そしてバーチカルなアプリケーションに至るまで、それぞれがきちんと動作することを検証し、ソリューションとして提供します。
そのためにIBMはエコシステムを構築しています。Red Hat、Novell、Microsoft、VMwareといったOSベンダーはもちろん、エネルギー業界ではエクソンモービルなどとHigh Performance Computing(HPC)分野で協業しています。
それこそがIBMのイノベーションを支え、優位性を生む原動力なのです。そうでなければ、IBMであれ、Hewlett-Packardであれ、単に価格の比較になってしまいます。われわれは価格競争をするつもりはありません。
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