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» 2006年08月10日 16時54分 公開

企業向けIM市場を開拓するITベンチャーの取り組み

ITベンチャー企業、クリプトの渡邉君人氏は「企業がIMを利用するにはセキュリティや管理性などの問題点をクリアしなくてはならない」と話す。

[怒賀新也,ITmedia]

 「インターネットメッセージング(IM)は非常に便利で、ソフトウェアもフリーで手に入る。だが、企業向けに利用するにはセキュリティや管理性などの問題点をクリアしなくてはならない」と話すのは、ITベンチャー企業、クリプトの渡邉君人氏だ。

 渡邉氏は2000年、大阪外国語大学大学院の言語社会研究科の博士前期課程修了。クリプトを設立した。現在も、社長業の傍らで、大阪大学大学院工学研究科で情報システム工学の勉強をしているという。

「企業向けIM市場を開拓する」と話す渡邉氏

 クリプトが提供するのは「Yocto」という企業向けのIMソフトウェアだ。既に導入実績は30社、3000クライアントに上るという。そのうち、東京のアイティーブーストは、社内でのSkypeの利用を全面的に禁止して、Yoctoを導入した。データセンターやグループウェアの導入をはじめとした企業のIT化をサポートする同社では、Skypeを利用する際にセキュリティ面で不安を感じたという。

 IMに関しては、マイクロソフトのMSNメッセンジャーやAOL、Yahoo!など、大手プロバイダー各社が無料のソフトウェアを提供しており、ユーザーも非常に多い。ただし、企業で利用する際には、外部への情報漏えいの恐れやスパムメールへの対応、私的利用の抑制ができないなど、細かい処理が求められるため、導入に踏み切れないという声も多い。

 一方で、Yoctoは、あくまでもIMをビジネスで利用するツールとして位置付け、企業に提供する。

 具体的にユーザー企業は、社員の在籍確認、メッセージ機能、会議室機能、ユーザーの一元管理機能を利用できるほか、SSL 128bitによるセキュアな通信も確保されている。特に、管理者がユーザー全体を一元的に管理できる点に、フリーソフトウェアとの違いがある。企業としてセキュリティ面での安全性を期したい、あるいは、組織として戦略的に社員間のコミュニケーションを活発化させたいと考える企業にとっては、管理面での機能を充実させたIMへのニーズは大きいといっていい。

 それでも、実際にユーザーが導入を考える場合には、フリーのソフトウェアとの比較をすることになると考えられる。IM専門の管理担当者を置くか、あるいは、企業のIM利用のニーズに対応したソフトウェアを利用するのか、迷いどころでもある。

 Yoctoの初期ライセンス費用は50ユーザーで52万5000円。年間サポート費用は7万8750円となっている。さらに、サーバー構築、設置調整、機器費用として189万円、Miracle Linux v4.0のライセンス費用を入れた合計は、255万6750円となる。

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