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» 2006年08月11日 10時51分 公開

ゼロから始める中小企業IT化への道:中小企業に「内部統制」は人ごとなの? (1/2)

広義で言うところの内部統制は、経営の本質に関わる重要な意味を持つ。中堅・中小企業のITは内部統制にいかに関わるべきか。

[伊嶋謙二,ITmedia]

内部統制がなぜ重要なのか

 現在、「内部統制」や「日本版SOX法対応」などのキーワードが多くのメディアを賑わしている。「内部統制を実現する○○」という冠のついたベンダー主催のセミナーやフェアもどれも盛況だ。内部統制がこれほどまでに騒がれているのは、企業が活動する上で欠かせない概念であるからにほかならない。「内部統制」とは何なのだろうか。

 金融庁企業会計審議会の内部統制部会が2005年12月に発表した『財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について』(PDF)において、その基本的な枠組みが示されている。その内容を見てみれば、内部統制がどのようなものかが分かる。

内部統制は、基本的に、企業等の4つの目的(1.業務の有効性及び効率性、2.財務報告の信頼性、3.事業活動に関わる法令等の遵守、4.資産の保全)の達成のために企業内のすべての者によって遂行されるプロセスであり、6つの基本的要素(1.統制環境、2.リスクの評価と対応、3.統制活動、4.情報と伝達、5.モニタリング、6.ITへの対応)から構成される。

図1 内部統制を構成する要素とその目的

 内部統制とは、企業の健全な経営や財務面での透明性を証明し、企業としての信頼性を確保する。そうすることで、企業価値の向上を目指すということになる。内部統制の実現は「企業のあり方」として至極まっとうであり、企業が活動する上で当然なことなのだ。

中小企業にも無関係ではない

 多くの読者は、内部統制は大企業が対象だと思われているかもしれない。しかし、本質的には企業規模は関係ない。中堅・中小企業でも同じことが求められている。最近では、企業の不正監査報告や企業トップによる売り上げの水増し操作など「企業が守るべきルール」を逸脱した事件が多い。そのために「あおりすぎたような内部統制ブーム」が起こっていると思われるが、これはひとえに企業の倫理観が問われている。

 モラルや倫理観といったものの重みは、いつの時代であっても変わらない。だからこそ、中堅・中小企業も内部統制を実現しよう、というのがIT業界を中心にしてブームになっている。

 だが、それには注意が必要だ。

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