狙われるMS Office――代替アプリケーションは? ITパーソンの理想像とは?

Microsoft Officeを狙ったハッカーたちの攻撃が急増している。eWEEKラボでは、Officeに代わる選択肢として3種類のオンラインアプリケーションを検証した。そして、今後求められるITパーソン像とは?

» 2006年08月15日 14時12分 公開
[Scot Petersen,eWEEK]
eWEEK

 Microsoft Officeを狙ったハッカーたちの攻撃が急増している。米国eWEEKラボでは、Officeに代わる選択肢として3種類のオンラインアプリケーションスイートを検証した。そして、今後求められるITパーソン像とは……?

 やつらの手口はさまざまなだが、狙いは同じだ。経済的・社会的な混乱を引き起こすことである。先週摘発された航空機爆破テロ未遂の結果、コンタクトレンズ保存液、ヘアクリームや化粧品などが機内持込禁止品のリストに加えられることになった。幸いにもテロリストたちの計画は失敗し、一人も犠牲者は出なかったものの、この事件は飛行機に乗ること、あるいは旅行することすら人々にためらわせるという深刻な影響をもたらした。(関連記事)

 ITの世界でも同様に、企業が重要なデータを処理したり送信したりする際には、特定のソフトウェア(例えばMicrosoft Officeなど)を使用しないという判断をしなければならない状況に近づいているのではないだろうか。米国eWEEKのシニアライター、ライアン・ナレーン氏が報告したように、PCに侵入して受信/送信データを監視することを可能にするゼロデイ攻撃のターゲットとして、悪質なハッカーたちがMicrosoft Officeを狙うケースが急増している。

 状況証拠から判断すれば、この種の攻撃はMicrosoftを狙ったものではなく、手当たり次第に企業ネットワークへの侵入を試みようとしたものだ。ナレーン氏が報じているように、Officeウイルス急増の背景には産業スパイという狙いがあり、特定の企業がターゲットとされているのであれば、セキュリティをめぐる状況が大きく変化したと言える。CIO(最高情報責任者)は、誰がデータにアクセスできるかということだけでなく、ユーザーがどのようなデータを持ち歩いているのかにも注意を向ける必要がある。

 「JotSpot」などのWebベースのアプリケーションが多くの企業の関心を集め始めているが、これらは現実的な選択肢なのだろうか。つまり、トレーニング、互換性、生産性といった面で大きな苦労を強いるのではないか、ということである。

 「必ずしもそうではない」と言うのは、eWEEKラボのシニアライターを務めるアン・チェン氏である。同氏は先ごろ、3種類のオンラインアプリケーションスイート――「ThinkFree Office」「GOffice」「AjaxLaunch」――を検証した。これらのスイートはすてきな機能を多数備えていたが、どれもMS OfficeやOpenOffice、WordPerfectなどのような統合性を備えていなかったという。

 セキュリティとソフトウェアインフラは、ITマネジャーが日々考えなければならない重要項目の2つに過ぎない。それだけでも大変な仕事のように思えるかもしれないが、ITプロフェッショナルに対する要求は、技術やサポートという枠を超えて拡大しつつある。「これからのITプロフェッショナルは、財務などのビジネス分野のスキルを備えるとともに、グローバル化の影響についても精通していなければならない」とeWEEKのスタッフライター、デボラ・ロスバーグ氏は記している。

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