MSとNortelの提携は巨大なチャンスをつかめるか?(1/2 ページ)

NortelとMicrosoftが提携し、両社はMicrosoftの統合型コミュニケーションプラットフォームを土台とするソリューションの開発/マーケティング/販売を共同で行うことになった。

» 2006年08月31日 07時00分 公開
[Rob Horwitz,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 カナダに拠点を置くNortelとMicrosoftが提携し、両社は複数の通信タイプ(テレフォニー、ボイスメール、電子メール、インスタントメッセージング、マルチメディア会議など)と各種デバイス(PC、携帯電話、VoIP電話など)を単一の統合型コミュニケーション(UC)プラットフォームに統合したソリューションの開発/マーケティング/販売を共同で行うことになった。提携の一環として、Nortelは今後、テレフォニー製品や各種の通信製品をすべてMicrosoftソフトウェアをベースに構築する。

 この提携により、Nortelの顧客と同社の5000万人以上のエンドユーザーは移行の手間を解消することができる。ただし、SiemensやHewlett Packard(HP)など、既にMicrosoftのUCプラットフォームに依存しているそのほかのパートナー企業にとっては、たとえ非独占的なものとはいえ、両社の提携関係は競争の激化をもたらすことになるかもしれない。

MicrosoftとNortelの統合型コミュニケーション戦略

 今回の提携の主な要素は以下のとおりだ。

NortelはMicrosoftプラットフォームを採用
 Nortelの今後の製品/サービスはMicrosoftのUCプラットフォームを土台とすることになる。MicrosoftのUCプラットフォームのコアはOffice Communications Server 2007だ(以前は、Live Communications Serverと呼ばれていた)。Nortelは今後、MicrosoftのUCプラットフォームで提供される機能と重複する既存製品/技術については段階的に廃止していく。

Nortelが補完的なソリューションを提供
 NortelはMicrosoftのUCプラットフォーム向けに各種のソリューションを開発する。例えば、基幹のテレフォニー機能、エンタープライズコンタクトセンターアプリケーション(音声自動応答など)、高度なモビリティ機能、音声トラフィック用のデータネットワーキングインフラなどだ。Nortelはこうしたソリューションの提供を2007年半ばに開始する見通し。

Nortelがシステム統合サービスを提供
 Nortelはコンバージェンス/移行プランニング、統合、最適化、モニタリング、マネージドサービスの提供など、専らUCアプリケーション/インフラの導入にフォーカスする部門として、ソリューション&システム統合事業部門を新設する。目標は、既存の電話システムをUC対応の新システムへ移行するための、信頼できるワンストップの移行パスを提供することだ。

製品開発と統合テストを両社共同で
 この取り組みの一環として、Nortelの開発スタッフはMicrosoftの統合型コミュニケーションチームと同じくワシントン州レドモンドに配備され、両社は社内ネットワークに双方の技術を導入する。さらに両社は、統合型コミュニケーションに関連する双方の知的所有権についてクロスライセンス契約を交わし、またMicrosoftからNortelには現金が支払われる(金額は未公表)。

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