VistaでHD DVDを見るには――提供されない再生ソフトウェア(2/2 ページ)

» 2006年09月12日 07時00分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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 VistaにHD DVD再生ソフトウェアが実装されないというのは、標準のDVDサポートの対応と同じであると言える。つまり、Windows XP PCで標準のDVDを再生するには、サードパーティが提供するWindows Media Playerプラグインまたはスタンドアロンのプレーヤーを利用する必要がある。

 実際には、DVDドライブメーカーが必要なソフトウェアをバンドルするか、OEMがDVDドライブ搭載マシンには再生ソフトを追加でインストールしているため、Windows XPがDVD再生ソフトウェアを提供していないことで影響を受けているユーザーはほとんどいない。HD DVDの場合もこれと同じ形に落ち着くだろう。同様に、同社は現時点ではBlu-rayのサポートをまったく考えていないが、OEMがBlu-rayドライブを搭載したPCを販売する場合は、まず間違いなくOEMがBlu-rayディスクの再生に必要なソフトウェアをすべて用意することになるだろう。

32ビットと64ビットでの対応は同じ

 2006年8月の一部報道に反するが、Windows VistaでのHD DVDまたはBlu-rayディスクの対応について、32ビット版と64ビット版での違いはないようだ。

 Vistaでは、システム上にある非署名のドライバの一覧が公開される。HD DVDやBlu-rayのプラグインおよびプレーヤー製品を含めサードパーティのソフトウェアは、この非署名のドライバの一覧を使用して、高精細ビデオコンテンツの再生が有効であるかどうかを特定できる。例えば、映画制作会社が非署名のビデオカードドライバのあるVista PCでは、高精細ディスクの再生を禁止するようにしたり、ISVがこのような制限を適用するソフトウェアアプリケーションを開発することが可能だ。

 64ビットプロセッサと64ビットWindowsクライアントが提供されたタイミングから、64ビット版ドライバの方が32ビット版より通常は新しく、64ビット版ドライバの場合は署名されていないとVistaでは読み込まれず、使用できなくなっている。一方従来の32ビット版ドライバは、たいていは非署名だ。

 この違いを踏まえ、ISVはコンテンツ所有者の資産を保護するために、32ビット版のVistaシステムでは、高精細ディスクが再生されないようにすることも考えられる。ただし、これまでのところこのような計画は発表されていない。また、高精細ディスクの利用者規模を制限することになり、新規格立ち上げの足場固めの時期にあっては、危険な動きである。

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