シマンテックおよびジュニパー、新たなセキュリティ関連提携を発表(2/2 ページ)

» 2006年09月13日 18時53分 公開
[Matt Hines,eWEEK]
eWEEK
前のページへ 1|2       

 新たなパートナーシップでは、Symantecの侵入検知およびUTMソフトウェアを搭載したJuniper製セキュリティアプライアンスの提供が、当面の取り組みとして計画されている。Juniperは数年前からハードウェアにSymantecのスパム対策技術を実装しているが、ちょうどこれと同様の形態になるわけだ。今後90〜120日以内に、Symantecのツールを改良してJuniper製品に搭載する予定だと、両社は述べている。

 さらにSymantecは、Juniperの無線アクセス技術のライセンス提供も開始して、自社のエンドポイント用セキュリティ製品で同技術を利用できるようにするという。こちらの機能は、数カ月のうちにリリースされる見込みだ。

 Juniperの幹部は、MicrosoftとCiscoの提携がそうであるように、同社がSymantecと協力関係を結んだことで、エンドポイントアクセスコントロール分野に1つの標準が定着するようになると述べた。同分野に参入する多くのベンダーが相次いでプロプライエタリ技術をリリースし、市場は混乱状態に陥っているが、そうした標準の存在がユーザーの助けになるという。また同幹部は、MicrosoftとCiscoの関係に比べて、SymantecとJuniperの間には協業に際する競合要素が少ないとも指摘した。

 Juniperのセキュリティ製品担当バイスプレジデントであるヒテッシュ・セシュ氏は、「両社の協力により、NACの実装に必要となる可動部分の数を減らして、標準化を進めることが可能になる」と話している。「第一に考慮しなければならないのは、どうしたらパートナーシップを成功に導けるかということだ。両社の相性は果たして良いのか悪いのか――JuniperとSymantecの場合、もともと相性が合っているだけでなく、方針を決定するときに顧客の利益を最優先させるという姿勢も共通している」(セシュ氏)

 ある業界アナリストは、少なくとも相手の製品に比肩すると思われる製品の開発に血道を上げずに済むようになるという点において、今回の提携は両社にとって有益であると話した。ボストンにあるリサーチ企業Yankee Group Researchのアナリスト、アンドリュー・ジャキース氏は、Symantecはカスタムセキュリティハードウェア分野から手を引き、ソフトウェア事業に集中することが可能になり、JuniperはSymantecのウイルス対策ツールと競合しうる製品の開発に巨費を投じるのを止めて、その専門知識を活用できるようになると分析している。

 「Symantecが提携に合意したのは、同社がナンバーワンになり得ない特定分野の重要性を認識したからにほかならない。例えばセキュリティゲートウェイ分野は、Symantecが支配することの難しい市場の1つなので、ここでは強力なパートナーシップを築いておくのが得策になる。両社の提携は、Juniperには、スパムおよびウイルス対策ツールを作らなくてよいというメリットを、またSymantecには、ハードウェア用のシートメタルや電源装置に投資する必要がなくなるというメリットをもたらす」(ジャキース氏)

 ジャキース氏は、大半のユーザーが関心を持っているが、関連技術を大量に導入するケースは非常に希なNAC分野の継続的発展という観点からとらえると、両社の提携は相応の進歩と言えると話す。こうした大手企業間の提携は、成功する確率を上げるために、市場が上向いている時期に行われることが多いと、同氏は述べた。

 NACに関するMicrosoftおよびCiscoの提携と比較して、マネージドセキュリティサービス分野におけるSymantecおよびJuniperの提携には、ほかにも一考に値する利点があるとジャキース氏は指摘する。同分野は、CiscoもMicrosoftの力を借りて事業を急速に拡大させようと狙っている分野だ。

 「Ciscoがセキュリティ管理分野への進出を図り、あらゆるセキュリティノウハウの発信者となることを目指している今日、Symantecとの提携はJuniperの力を底上げするのに役立つだろう。Juniperは今後も、Ciscoとの戦いをソフトウェア面からサポートしてくれる企業との提携をもくろんでいくはずだと考えている」(ジャキース氏)

前のページへ 1|2       

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ