IEに新たな脆弱性、実証コードも登場

公開された実証コードは完全にパッチが当てられたバージョンのIEをクラッシュさせることができ、改変も容易だ。

» 2006年09月15日 14時38分 公開
[Ryan Naraine,eWEEK]
eWEEK

 中国のセキュリティ研究者が、MicrosoftのInternet Explorer(IE)の新たなゼロデイ脆弱性の詳細な実証コードを公開した。

 XSec.orgとMilw0rm.comに投稿されたこの実証コードは、簡単な修正を加えて、完全にパッチが適用されたWindows上で、ユーザーの操作不要のコード実行攻撃を起こすのに利用できる。

 Microsoftセキュリティ対策センター(MSRC)の広報担当者は、同社がこの件を調査していることを明らかにした。まだ未パッチのままの既知の高リスクの脆弱性はほかにも存在し、この問題もその1つとして加わることになる。

 実証コードに埋め込まれたメモによると、この脆弱性はCOM Objectのヒープオーバーフローのバグで、Windows XP SP2およびWindows Server 2000 SP4で動作する中国語版IE 6.0で確認された。

 悪意を持ったハッカーは通常、ブラウザのコード実行脆弱性を利用してドライブバイ(自動)攻撃を仕掛け、トロイの木馬やボットなどのマルウェアをWindowsコンピュータにロードする。

 米Exploit Prevention LabsのCTO(最高技術責任者)ロジャー・トンプソン氏は、このコードを使って攻撃をシミュレートすることはできたとしつつも、このコードが常に確実に動くとは限らないと指摘した。

 eWEEKの取材に応え、同氏は、この実証コードは完全にパッチが当てられたバージョンのIEをクラッシュさせることができ、容易に改変してターゲットを絞った攻撃に利用できると語った。

 同氏は、ゼロデイコードを遮断するExploit Prevention Labsの「SocketShield」にシグネチャを追加した。

 「誰かがこのコードを改変した場合に備えて、このことを知っておいて、監視した方がいい。だが、現状では大きな脅威ではない」(同氏)

 今回の実証コードは、MicrosoftのIEチームにとって難しい時期に登場したと言える。同チームは8月にリリースされた累積IEパッチを、オリジナルパッチの2つの欠陥のために2回リリースし直さなくてはならなかった。

 セキュリティアラートを集積しているSecuniaの脆弱性統計によると、2006年に報告されたIEのバグの約30%は、まだパッチがリリースされていないという。

 同サイトが今年発行した13件のアドバイザリーに基づくと、報告されたIEのバグの60%は「highly critical」または「extremely critical」に分類されている。

 Microsoftは2006年にIEのセキュリティ情報を4件発行しており、これらはすべて「緊急」とされている。

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