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» 2006年09月28日 14時29分 公開

「シェアトップに満足しない」──日本オラクルがSiebel CRMのオンデマンド版を投入

Microsoftの参入やSalesforce.comのオンデマンドサービスによって、しだいに活気づいている国内のCRM市場だが、マーケットリーダーであるオラクルが、Siebel CRM On Demandの投入を機に市場拡大を狙う。

[浅井英二,ITmedia]

 日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズは9月28日、マーケットリーダーであるSiebel CRMの機能を月額8750円で利用できるサービス、「Siebel CRM On Demand」を10月1日から提供することを発表した。すでに世界4000社、460万人のユーザーを誇るCRMアプリケーションをSaaS(Software as a Service)型で提供するのを機に、営業体制を強化し、市場拡大を目指す新しいCRMビジネス戦略も明らかにした。

 都内のホテルで記者発表会に臨んだ日本市場のアプリケーション事業を担当するディック・ウォルベン上級副社長は、好調だった第1会計四半期(6〜8月期)の業績やそれに対するウォール街の評価を誇らしげに紹介し、「2007年には、最も身近なアプリケーションベンダーになる」とぶち上げた。

 第1会計四半期におけるOracleのアプリケーション事業は、新規ライセンス収入が80%増と大幅な成長を遂げ、日本市場での成長はこれをさらに上回るという。Oracleは、業界に特化したアプリケーションベンダーの買収を加速しており、業界標準のテクノロジーをベースとしたOracleの基盤への統合を進めている。

 「顧客らは、なるべく少ないベンダーと戦略的な対話こそが自身の成功につながると理解し始めた。また、ITがビジネスプロセスを迅速に変えるための阻害要因になっていて、統合された基盤への要求も高まっている。業界の再編はそれを反映している」(ウォルベン氏)

 Oracleのアプリケーション戦略は、「ナンバーワン戦略」と言い換えてもいい。特定領域においてナンバーワンになることが、価格はもちろんのこと、ベストプラクティスの提供、長期的な製品開発計画、サポートなど、すべての恩恵が顧客にもたらされる。CRM領域において、マーケットリーダーであるSiebel CRMを傘下に収めた狙いもそこにある。

分析機能や業種別ソリューションも標準提供

 国内市場においても、シーベルを傘下に収めたことによって日本オラクルは29.6%というシェアトップの地位を確保している。

 しかし、日本オラクルインフォメーションシステムズでアプリケーション事業を統括する村上智代表取締役は、「シェアトップには満足しない。日本市場には巨大な手組みの市場があり、企業の顧客戦略を支援するのがわれわれの使命だからだ」と話す。

 この日、日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズが新たに投入した「Siebel CRM On Demand」は、北米における2003年の提供開始以来、ほぼ毎四半期ごとに新しいリリースを投入してきており、マーケットリーダーであるSiebel CRMから得られたベストプラクティスをオンデマンドで提供するもの。データウェアハウス機能が提供され、時系列分析も可能な点が大きな差別化となっているほか、金融、ライフサイエンス、ハイテク、自動車といった業種別ソリューションを標準でそろえているのも特徴だ。

 「顧客に適したソリューションを最も適した形態で提供するのがわれわれのスタンス。競合するオンデマンドサービスがすでにあるが、取るに足らないユーザー数にすぎない。われわれはここでもナンバーワンになる」と村上氏。

 日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズでは、Siebel CRM On Demandの投入によって製品の提供形態を多様化するのを契機とし、金融、通信、ハイテク、自動車といった各業種向けの専任組織や中堅企業向けの専任組織を設けて営業体制を強化し、それぞれのセグメントに合ったCRMソリューションの提供に注力する新しいCRMビジネス戦略も明らかにしている。

 なお、製品別では、新規の顧客にはSiebel CRMを、既存顧客には「PeopleSoft Enterprise CRM」および「Oracle E-Business Suite CRM」をそれぞれ継続展開し、顧客情報の統合には「Oracle Customer Data Hub」を推進していくとしている。

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