URLを意識しなくなる日(3/3 ページ)

» 2006年10月16日 11時44分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 しかし、ケータイでURLを手入力していくのはPC以上に面倒なものだ。そこで、ケータイの場合は専用の検索ポータルが幅を利かせているが、文字コードを埋め込んでケータイカメラで読み取ることが可能なQRコードでケータイ用サイトのURLを告知するケースも増加してきている。しかもこの場合、URL以外の文字列なども埋め込むことができるため、宣伝効果は高くなる。

 インターネットユーザーを取り込むためにはケータイユーザーの確保は必須。ケータイ用の検索サイトを活用するのもよいが、それでは、いちいちキーワードを入力して検索して、それから訪問してもらうことになり、プランによってはデータ量で費用がかかるケータイユーザーを取り込むのは並み大抵のことではない。そこで、企業のQRコード利用率は今後も上がっていくことだろう。QRコードさえあれば、いちいちメニューから辿ったり、検索することなく、ダイレクトに呼び込むことが可能となるからだ。

URLを意識しなくなる日

 このように、いまやURLを直接意識することが少なくなってきた。

 前述したように、URLはそれ自体が住所だから、消滅することはないだろう。しかし、そこに行き付くまでの過程で、URLを意識しなくなる日は、すでに訪れている。

 ユーザーが嫌うのは、何といっても面倒なこと。簡単、便利だということでPCやケータイを利用していても、情報に行き着くまでに手間がかかってしまってはユーザーが付いてこないと考えるべきだ。

 前述したように、かつてのWebマーケティングでは、ユーザーの誘導のためにはURLを告知し、アクセスを呼びかけていた。それが、検索エンジンでキーワード検索してという形へと変貌してきた。同時に、ケータイユーザーの取り込みにQRコードの活用も模索を続けている。

 URLは崩壊してしまうのか。否。WWWの仕組みが変わらない限り、URLそのものはなくならないだろう。しかし、インターネットユーザーの意識の中からURLが消滅し、崩壊する時は、すぐそばまで来ているのかもしれない。

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