URLを意識しなくなる日(2/3 ページ)

» 2006年10月16日 11時44分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 例えば筆者でも、朝日新聞のWebサイトを見たい場合、URLが「http://www.asahi.com/」ということも知っているし、IEの「お気に入り」にも登録されているが、ついついGoogleツールバーに「朝日新聞」と入力してしまうことがある。このようにしてWebページを探してる人は、かなり多いのではないだろうか。それだけ、検索エンジンの利用が定着したといえるが、検索ポータルサイトもWebマーケティングと直結したものへと変化しつつあることを物語っているのだ。

ポータル上での情報提供の変化

 Yahoo!に代表される検索ポータルサイトは、カテゴリ別に分類された中に、対応するWebサイトが登録されている。検索ポータルサイトでの検索窓から検索すると、登録サイトを表示する仕組みだ。従って、それぞれの検索ポータルサイトごとの検索結果には特徴があった。

 ここに、「ページ検索」が加わることで流れが変わった。これまでの検索ポータルでは、「Webサイト」を登録、検索する形だったが、Webサイト内の各ページを検索対象とするページ検索が搭載されることで、検索される情報の幅が広がっていったのだ。この方向性を後押ししたのはGoogleだろうか。

 検索ポータルにページ検索がプラスされることで、より多くの情報を引き出せることになりプラスになる……はずだった。しかしそれは、あくまでもエンドユーザー側での話。Webでマーケティングを行っている企業にとっては、複雑な状態になったといえる。それは、検索キーワードによっては、必ずしも自らがトップに表示されず、下位へと追いやられる可能性があるからだ。

 そこでアプローチを変えたサービスとして登場したのがグーグル・アドワーズ(Google AdWords)などの広告サービスだ。このサービス自体はGoogleが提供するものであり、広告主が選択したキーワードをユーザーが検索すると、検索結果に対応する広告が表示される仕組みを持つ。これを利用すれば、検索結果のトップに目立つようにWebサイトへのリンクが必ず表示されるわけだ。クリック課金型で、広告主側で1日あたりの上限も設定可能なため、予算内で広告が掲載できるのが特徴となった。ちなみに、ブロガーなどアドワーズ広告を掲載する側のサービスはグーグル・アドセンス(Google AdSense)と呼ぶ。

 このキーワードに連動して広告を掲載する手法は、検索連動型広告と呼び、Googleアドワーズのほかにも、オーバーチュア、ルックスマート、リストップといったサービスが存在する。それぞれ、大手の検索エンジンと連携して広告を表示している。

 前述したキーワード検索を誘う広告は、この検索連動型広告を利用したものだ。いまや、あらゆる業種で、この検索連動型広告の活用が目立ってきている。また、似たようなものとして、ブログやWebページに書かれた内容と連動して広告を表示する、コンテンツマッチ型広告も当たり前になってきた。

 URLを告知しなくても、顧客を誘導できる――いわば検索ポータルを基軸としたマーケティングがメインになっているといえよう。

 そして、検索ポータルサイトがページ検索へとシフトし、さらにYahoo!などのようにさまざまなコンテンツを用意してその価値を高めていく中、URLを入力する頻度が減少していく。さらに、Internet Explorerなどの一部のブラウザでは、アドレスバーに直接キーワードを入力すれば、設定された検索エンジンで検索できてしまうのも、それを助長しているのではないだろうか。

検索か、QRコードか

 そしてもう1つ、URLを入力せずにWebサイトへアクセスする方法がある。それは、ケータイとの相乗で効果が表れるQRコードの活用だ。

 最近のインターネットユーザーの爆発的な伸びは、そのアクセス端末としてインターネットに接続可能なケータイの普及がある。

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