日本アフィリエイト・サービス協会は、広告主とパートナー、サービス提供者がそれぞれ遵守すべき項目をまとめた「アフィリエイト・ガイドライン」をまとめた。
日本アフィリエイト・サービス協会(JASK)は10月19日、アフィリエイトの広告主とパートナー、サービス提供者がそれぞれ遵守すべき項目をまとめた統一基準、「アフィリエイト・ガイドライン」をまとめ、公開した。広告主だけでなく、アフィリエイトに関与する3者すべてにまたがる包括的なガイドラインは、これが世界初という。
アフィリエイトの仕組みでは、アフィリエイト・パートナーが自分のWebサイトやブログに広告バナーを貼る。このリンクを経由してユーザーが広告主のサイトを訪れたり商品を購入したりすると、数に応じてアフィリエイト・パートナーに報酬が支払われる(関連記事)。
最近ではマーケティング手段の1つとして企業が注目するとともに、ブログ側などの対応サービスが増えていることから、アフィリエイトの利用率が増加。矢野経済研究所の調べでは、2005年度のアフィリエイト市場規模は314億円と推定され、今後も成長が見込まれるという。
今回JASKがまとめたガイドラインは、アフィリエイト市場のさらなる拡大を見据え、「問題が起こる前にガイドラインを用意することで、社会的責任を果たして業界の信頼性を高めていくことを目的としたもの」(JASK会長、バリューコマース取締役のティム・ウィリアムズ氏)。消費者や広告主が安心して参加できる環境を作ることで、業界全体の健全な成長につなげたいという。
ガイドラインは「アフィリエイトへの参加」「広告主とアフィリエイト・パートナーとの提携」「広告の設定および配信」「アフィリエイトの終了」「個人情報保護と法令遵守」といった5つのカテゴリに分け、アフィリエイト・パートナーと広告主、サービス事業者がそれぞれ遵守すべき項目やルールを定めている。
JASKによると、アフィリエイトは基本的に成果報酬型となるため、クリックスルーに基づくタイプに比べて不正行為は少ない(関連記事)。しかし、掲示板に無作為に貼り付けたり、スパムメールをばらまく「迷惑行為」、自分で不正にクリックや申し込みを行って報酬を受け取ろうとする「不正行為」やアフィリエイトをかたる詐欺などがまったくないわけではない。ガイドラインの中ではそうした行為を禁じていく。
同時に広告主側に対しても、法令違反や誇大広告を行わないよう求めていく。海外ではアフィリエイトを通じてアドウェアや詐欺まがいの広告を配信するケースも登場しているが、そうした行為は「ふさわしくない」として排除していく方向だ。
さらにJASK参加企業の間で、不正行為や迷惑行為に関する情報の共有を進める。手口などを共有することで、次々にサービスを乗り換えて不正行為を継続しようとする広告主やパートナーに対処していくという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.