フィッシングメールを受け取ったことがある米国成人の数が、わずか2年で2倍に増えた。被害総額は年間28億ドル以上とみられる。
米Gartnerが今年実施した調査で、米国の成人が受け取るフィッシングメールの数が、2年前との比較でほぼ倍増したとみられることが明らかになった。同社では、フィッシングメールを受信した米国成人の数は、2004年調査時は5700万人だったが、2006年調査では1億900万人に膨れ上がったと推計している。
被害者1人当たりの平均フィッシング被害額も、2004年調査時の257ドルから今年の調査では1244ドルと2年間で大幅に増加。一方、フィッシング被害額のうち消費者が回収できた割合は、2005年調査では平均80%だったが、2006年調査では54%まで落ち込んだ。
特にフィッシングのターゲットとなっているのが、年収10万ドル以上の高所得者層だ。消費者全体では、1年間のフィッシングメール受信数は1人当たり平均74通なのに対し、高所得者層は112通受信している。また、高所得者層の平均損害額は4362ドルで、その他所得者層の平均のほぼ4倍となっている。
銀行を装ったフィッシングメールは減り、PayPalやeBayを偽ったものが増えている。フィッシング被害の損害補償内訳を見ても、銀行やクレジットカード会社の率は下がり、非金融機関や小売店の率が上昇している。
Gartnerは2006年8月に米国成人5000人を対象にオンライン調査を実施した。その結果から、2006年にフィッシングメールをクリックした米国成人は2440万人と推定。2005年は1190万人だった。また個人情報などをうっかり入力してしまった人の数も、2005年調査時の推定190万人から、2006年調査では推定350万人と大幅に増加している。
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