インテルがXeon 5300番台でクアッドコア化を加速、7ベンダーが年内に製品投入へ(1/2 ページ)

クアッドコアXeon 5300番台が世界同時発表された。40〜65ワットという低消費電力や高い性能密度を求めるユーザーは、引き続きデュアルコアのXeon 5100番台を選択するだろうが、ボリュームサーバは「高性能」と「低消費電力」をさらに追求するクアッドコア化が加速しそうだ。

» 2006年11月15日 12時46分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 インテルは11月15日、インテルアーキテクチャーとして初めてとなる、4つのコアを搭載した「クアッドコア インテルXeonプロセッサ 5300番台」(コードネーム:Clovertown)を世界同時発表した。なお、ワークステーション向けの「インテルCore 2 Extremeプロセッサ QX6700」(コードネーム:Kentsfield)も併せて発表されている。

記者発表会に臨むインテルの吉田和正共同社長

 都内で行われた記者発表会には、日本アイ・ビー・エム、日本ヒューレット・パッカード、デル、NEC、富士通、日立製作所、東芝の7社が同席し、年内にXeon 5300番台を搭載したサーバを発表することを明らかにした。当面、40ワットや65ワットという低消費電力や高い性能密度を求めるユーザーは、引き続きデュアルコアのXeon 5100番台を選択するだろうが、ボリュームサーバは「高性能」と「低消費電力」をさらに追求するクアッドコア化が加速しそうだ。

 「2007年第2四半期には、デュアルプロセッサ構成のサーバの40%にクアッドコアが搭載されると見込んでいる」(インテルの阿部剛士マーケティング本部長)

 なお、インテルでは、消費電力を50ワットに抑えた低電圧版のクアッドコアXeonを2007年第1四半期に投入することも明らかにしている。

日本アイ・ビー・エム、日本ヒューレット・パッカード、デル、NEC、富士通、日立製作所、東芝の7社が同席し、年内にサーバ製品を投入することを表明した

 Xeon 5300番台は同社初のクアッドコアプロセッサ。省電力やデュアルコアでは競合他社の後塵を拝したインテルだが、2006年はボリュームサーバ向けのXeon DPを中心に相次いで新しいプロセッサを投入、クアッドコア化では当初の計画を大幅に前倒しし、一気に抜き去った。競合他社のクアッドコアプロセッサ投入は2007年夏と言われており、6カ月以上のアドバンテージを確保したことになる。

Xeon DPの当たり年

 インテルは今年、実に多くのプロセッサを市場に投入した。中でも、デュアルプロセッサ構成をサポートするボリュームサーバ向けのXeon DPラインでは積極的な新製品投入が目立ち、まさに「当たり年」となっている。

 モバイルプロセッサの技術を盛り込んだ低消費電力版の「Xeon LV」(コードネーム:Sossaman)を皮切りに、第2四半期にはデュアルコアXeon 5000番台(コードネーム:Dempsey)とデュアルコアXeon 5100番台を相次いで投入した。特に「Woodcrest」のコードネームで開発が進められた5100番台は、新しい「Coreマイクロアーキテクチャー」に移行し、昨年まで主流だったシングルコアのXeonと比較して、性能が約3倍、消費電力当たりの性能は3.5倍に達した。

 そして、当たり年を締めくくるのが、インテルアーキテクチャーでは初となるクアッドコア、Xeon 5300番台の出荷だ。

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