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» 2006年06月26日 16時54分 公開

インテル、「ハイブリッド」のデュアルコアXeonを投入

じりじりとAMD Opteronの追い上げを受けていたインテルが、消費電力当たりの性能を大幅に向上させたデュアルコアXeon、「Woodcrest」を世界同時発表した。

[浅井英二,ITmedia]

 じりじりとAMD Opteronの追い上げを受けていたインテルが、消費電力当たりの性能を大幅に向上させたデュアルコアXeon「Woodcrest」(コードネーム)を投入、2ソケットの1Uラック型サーバやブレードサーバで巻き返しに転じた。

東京の記者発表会にはサーバ・プラットフォーム事業部長、カーク・スカウゲン氏が臨んだ

 インテルは6月26日、Woodcrestのコードネームで呼ばれていた省電力志向の「デュアルコア インテルXeonプロセッサ 5100番台」を世界同時発表した。Xeonプロセッサ 5100番台は、Coreマイクロアーキテクチャーをベースとした最初の製品でもある。これにより、XeonはPentium 4以来のNetBurstマイクロアーキテクチャーから、低消費電力と高性能を併せ持った次世代のアーキテクチャーへと移行する。

 なお、この新しいマイクロアーキテクチャーは「インテルCore 2 Duoプロセッサ」というブランドで製品化されるノートブックおよびデスクトップ向けプロセッサの基盤ともなる。

 東京の記者会見に臨んだ吉田和正共同社長は、トヨタ自動車のハイブリッドエンジンになぞらえ、電力効率と性能を両立するXeonプロセッサ 5100番台を次世代アプリケーションの基盤として売り込んだ。

性能3倍、消費電力当たりの性能も3.5倍

 インテルは、Xeon 5000番台(コードネーム:Dempsey)を5月25日に投入したばかりだが、わずか1カ月後に「本命」を投入した格好だ。シングルコアのXeonと比較して、NetBurstマイクロアーキテクチャーをベースとするXeon 5000番台の性能は約2倍であるのに対して、今回発表されたCoreマイクロアーキテクチャーベースの5100番台は約3倍、消費電力当たりの性能も3.5倍に達する。これにより、電力効率の良さを売り物に1Uラック型サーバなどでシェアを拡大してきたAMD Opteronに対して、同社は効果的な手を打つことができるようになる。

 さらに第3四半期には、消費電力を40ワットに抑えた低電圧版も出荷を予定しているという。

 来日したサーバ・プラットフォーム事業部長、カーク・スカウゲン氏は、同社がすでにWebサイトを通じて公開しているAMD Opteronとの性能および消費電力当たりの性能を示し、それぞれ最大で71%と84%もライバルを上回っていることをアピールした。

 パートナーとして記者発表会に同席したSAPジャパンでソリューション&マーケティング統括本部長を務める安田誠バイスプレジデントは、「SAPユーザーでブレードサーバの導入が進んでおり、発熱が課題となっていた」と話す。

長期のソケット互換性を提供

 スカウゲン氏は、性能や消費電力当たりの性能だけでなく、そのプラットフォームの長期にわたる安定性をアピールすることも忘れなかった。このことはライフサイクルが比較的長いエンタープライズ市場では特に重要だ。

 チップセットを含む包括的なプラットフォームアプローチを進めるインテルは、5月にXeon 5000番台を発表した際、併せて「Bensley」プラットフォームを投入している。このBensleyは、大容量かつ高速のFully Buffered DIMMメモリをサポートするのが特徴。5000番台、5100番台、そして2007年第1四半期に登場するクアッドコアのClovertown(コードネーム)に安定したソケット互換性を提供するのはもちろん、その後2009年まで共有のプラットフォームとして提供される計画だ。45nmプロセス製品も視野に入っているという。

 Xeonプロセッサ 5100番台は同日から受注を開始し、まもなく出荷も始まる。すでにエッチ・アイ・ティーやデルが1Uラック型サーバを、日立製作所がブレードサーバをそれぞれ発表しているほか、日本アイ・ビー・エム、NEC、日本ヒューレット・パッカード、富士通などが搭載サーバの出荷を予定している。

 7月から2ソケットの1Uラック型サーバ「PowerEdge 1950」を出荷するデルでは、「これまで集積度を高めたい場合には消費電力が問題となっていた。Xeonプロセッサ 5100番台によって、2ソケットの1Uラック型サーバで攻勢に出られる」と話す。

 なお、ユーザーとして記者発表会に招かれた独立行政法人理化学研究所の高速分子シミュレーション研究チームのチームリーダー、泰地真弘人氏は、消費電力当たりの性能だけでなく、Xeonプロセッサ 5100番台のI/O性能や主記憶性能を高く評価し、早期導入を進めていることを明らかにした。

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