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» 2006年11月16日 00時00分 公開

ORF会場で実体験できるユニファイドコミュニケーションの魅力:コミュニケーションが世界を変える

慶應義塾大学と世界的なネットワーキング企業のシスコシステムズのコラボレーションが、インターネットの普及やイノベーションを支えてきた。すでに「次」に向けた取り組みが始まっている。

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 11月22、23日の2日間にわたって、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)のSFC研究所が主催する「SFC Open Research Forum 2006」(ORF2006)が東京・丸の内で開催される。SFCの研究成果と今後の方向性を広く公開し、産官学の連携を推進させることを目的としたイベントだ。

 SFCで行われている研究は、デジタルメディアや遺伝子、地球環境など非常に広域で、特定の領域にとどまらない。そして、社会と技術の両面にわたった研究を展開するとともに、産業界とも密に連携してきた。その成果の例として挙げられるのが、時速370キロを誇る電気自動車「Eliica」だが、ほかにも、さまざまな形で研究を産業界にフィードバックし、それがまた新たな研究に反映されるという具合のスパイラルを形作っている。

 今や人々の生活やビジネスに欠かせないインフラとなったインターネットについても、そうした産学連携の成果が生かされてきた。慶應義塾大学SFC研究所と、世界的なネットワーキング企業のシスコシステムズとの協力関係もその一例である。

 両者の協力関係が始まったのは、まだ「インターネット」という言葉が一般に普及する前の1992年ごろのことだった。

 広域にまたがる大規模分散型コンピューティング環境の研究を通じて、インターネット技術の研究をリードしてきたのがWIDEプロジェクトだ。その代表を務める慶應義塾常任理事兼慶應義塾大学環境情報学部教授の村井純氏やSFC研究所に所属していた同プロジェクトの面々が当時のシスコシステムズのオフィスに姿を現しては、機器やネットワーク技術について議論を交わし、さまざまなトライアルに取り組んだという。

 今、シスコシステムズでは、音声とビデオ、データなどを統合し、効率的でリッチなコミュニケーションやコラボレーションを実現する「ユニファイドコミュニケーション」を重要な戦略として推進している。「SFCと共同実験を始めた当初から、音声とビデオをいかに統合するかに向けたトライアルや実証実験を行ってきた」と、シスコシステムズの執行役員CTO、大和敏彦氏は当時を振り返る。

 それから15年。現在、インターネットは誰もが当たり前のように利用できるインフラとなり、数十Mbpsといった帯域を享受できるようになった。「このプラットフォームをどのように活用し、次の新しい使い方を探っていくか」が課題だと大和氏は述べる。

ビジネスインターネットから「インテリジェント」なネットワークへ

photo シスコシステムズ株式会社
執行役員CTO/CSO マーケティング&エンジニアリング担当 大和敏彦氏

 大和氏は、インターネットはこれまで、大きく3つのステップを踏んで変化してきたと述べた。

 「第一段階は『頑張って動かすけれど、落ちてしまったらごめんなさい』が通じたベストエフォートの時代。第二段階では、QoSやセキュリティといった技術が実装され、メールやWebが当たり前に利用できるようになった。いわば『ビジネスインターネット』の段階だ」(同氏)

 そして次の段階では、ただ機器や人をつなぐだけの役割にとどまらず、ネットワーク自体がインテリジェンスを持つようになるという。「VoIPや動画、P2Pなど、新たなサービスが登場する中、それぞれのサービスレベルを考え、その品質を保証したサービスを提供していく必要がある。同時に、止まらず動き続けるという意味とセキュリティの両面で、ネットワークはもっと強固にならなければならない」(大和氏)

 そのような世界を実現していくには、技術的にいくつかの要素が必要だ。1つは、障害が起きたとしても迅速に回復し、サービスを継続させる「レジリエンシー」(冗長性)。また、ネットワークの各部がばらばらに動作するのではなく、協調し、統合された形「インテグレーション」になっていく必要もある。さらに、何らかの変化に対し自動的、自律的に対処する「アダプティブ」も欠かせない要素だ。

 もう1つの流れが、ネットワークとコンピューティングの統合である。ネットワークで接続されたサーバやストレージが1つのシステムとして扱えるようになり、その統合されたインフラの上で、「どこにそのアプリケーションがあるか、どこに情報があるのか、どこで処理されるのかといったことを意識することなく、自由に利用できるようになるだろう」と大和氏は将来像を描く。

新しいコミュニケーションの形がビジネスを変える

 ネットワークがインテリジェンスを持った世界が実現されれば、今のビジネスのあり方を大きく変える力になる。その最もわかりやすい例が、ユニファイドコミュニケーションだ。

 今、企業の現場では、まだまだ電話が主要なコミュニケーション手段として活用されている。しかし、外出や打ち合わせで忙しい相手を電話でつかまえるのは、実は困難な作業である。タイミングがずれると何度もかけ直すことになるし、電話を受ける側にとっても、集中して作業している最中に割り込んでくる電話は、煩わしいものでしかない。

 ユニファイドコミュニケーションは、そんな状況を根本的に変えることができる。相手が出先ならば携帯に、外せない用件の最中ならばメールで用件を伝え、緊急ならばボイスメールを残すといった具合に、相手の状況やプレゼンスに応じて、臨機応変に適切な手段で「コミュニケーション」できるからだ。

 「その意味では、日本ではコンシューマーのほうがはるかに進んでいると言える。今、企業ではまだまだ電話でのコミュニケーションが主流だ。しかし、会議や報告、あるいは1体1のミーティングなど、企業の場でのコミュニケーションにはいろいろな形があるが、今のやり方は本当に最適なものだろうか? 『目的や相手にとって、今最適な手段は何か』という根本的な部分を考えるべきではないだろうか」と大和氏は指摘する。

 コミュニケーションの方法が変われば、仕事のやり方も自ずと変わってくる。「ありがちな『まずIP電話ありき』というアプローチではなく、業務システムを通じて何をどんなふうに実現するのか、どんな方法で生産性の向上を図るのかという根本的なアーキテクチャを考えることにより、ホワイトカラーの生産性向上につながる」と同氏は述べた。

 ユニファイドコミュニケーションは、そういった知恵を出し、実現していく上で最適なプラットフォームだという。例として、ビデオ・コミュニケーションを使った画像情報のリアルタイムな共有や遠隔地からのアドバイスのほか、ボイスメールを用いて大勢のユーザーに音声の形で情報を伝達したり、チャットを通じてリアルタイムにコミュニケーションを行ったりと、すでに広く使われ、より効率的、効果的なコミュニケーションを実現している事例がある。このほかにも、使う側のアイデア次第でさまざまな展開が考えられる。

 「どうしても端末優先、機能優先で物事を考えるケースが多い。しかし、もっと大きなビューを持って、ネットワークによってどのようにコミュニケーションを変え、ビジネスを変えていくか、柔軟に発想してほしい」(大和氏)

 今回のORFでシスコシステムズは、レイヤ3スイッチ「Catalyst 6500」や無線LANアクセスポイント「Cisco Aironet 1240AG」を用いて会場のIPネットワークインフラを整備する。その上で、「Call Manager」を中心に、パーソナルデスクトップビデオフォンの「Cisco IP Phone 7985G」をはじめとするユニファイドコミュニケーション環境を展開し、リアルタイムのビデオを通じたコミュニケーションのデモンストレーションを実施する予定だ。大和氏はこうした環境に実際に触れ、体験する場を設けることで、今後の新しいコミュニケーションのあり方について考えるきっかけの1つにしていきたいという。

SFC Open Research Forum 2006は、入場無料です。
オフィシャルWEBサイトから事前登録の上、ご来場ください。


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