15分で分かる2006年のブログ界(3/4 ページ)

» 2006年12月28日 08時00分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 つまり、ブログとSNSとの住み分けができるとすれば、やはり公開範囲の設定ではないだろうか。mixiでは、昨今の状況を考えてみれば、さまざまな情報の公開範囲をユーザーごとに細かく設定できるようになっている。そこで、mixi日記を利用し、公開範囲を友人までとすれば、マイミクのみに公開されるため、マイミクを無尽蔵に増やしさえしなければ、かなり自由な文章を書くこともできるだろう。

 表に公開するブログには一般的なことを書き、SNSの閉じられた日記には表に出せないことを書く。しかし、SNSで全体に公開してしまえば、表のブログに書いているのと同じということを忘れてはならない。あくまでも自己責任である。

サービス事業者はどのように収益を上げるべきか

 さて、これらのサービスの多くは、無料で提供されている。しかし、企業であるからには、どこかで収益を得ないことには、破たんしてしまうのが結末だ。多くの場合、それは広告収入に頼っている。しかし、それだけではとても増え続けるユーザーに対応できないともいう。つまり、広告価値を高めるためにはユーザーがいなければ話にならないが、ユーザーが増えすぎると対応するためのシステム投資が膨大となり、インフラ整備が急務となってくる。当然コストが掛かるわけだ。

 そこで考えられているのが、有料オプションの設定。有料オプションとして魅力的なコンテンツを用意することで、ユーザーに楽しみながら付加価値にペイしてもらうというものだ。しかし、これにも限度がある。やはり無料に惹かれるユーザーが圧倒的に多いからだ。

 そこで考えたのが、株式上場だ。例えば、パソコン通信サービスからスタートしたISPサービス大手「ニフティ」が12月7日(関連記事)、12月26日には同じく「朝日ネット」が上場した(関連記事)。いずれも東証2部だが、これにより資金を調達していこうという表れだろうか。ただし、両社とも初値は公開価格割れを起こしており、今後の動向が注目されるところだ。

 もちろん、サービスの柱として一般ユーザーのみならず目を向けなければならないのは企業ユーザーだろう。企業とブログの動きが進んできたのも2006年の特徴だった。

 企業がWebサイトの一つとしてブログを利用していた時代は終わりをつげ、Movable Typeなどのブログツールを使ってWebサイト自体を構築するケースが増えているのだ。ブログサービス事業者側も、企業と連携するなどの動きが目立ち始めている。2007年はこの傾向が増加していくかもしれない。

「Web 2.0」と「RSS」にとって2006年は

 ブログと切っても切り離せないキーワードとして、「Web 2.0」と「RSS」を挙げることができる。

 2006年は、「Web2.0」という言葉が一般に広まった年ともいえるだろう。Web2.0自体はその前から存在していたが、使っているのはあくまでもインターネットを使いこなしているユーザーに過ぎなかった。それが、一般書店に行っても「Web2.0」を冠した雑誌、書籍、新書に文庫までもあふれるようになったのだ。まだ定着したとは言えないが、一般ユーザーにも言葉が広がり始めた元年といっても差し支えないと思われる。

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