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» 2007年01月24日 08時00分 公開

Windows Server "Longhorn" 徹底研究:Windows Virtualization――マイクロソフトの最新仮想化環境 (1/2)

Windows Server "Longhorn" に合わせ、マイクロソフトの新しい仮想化環境として登場する予定になっているのが、「Windows Virtualization」である。ハイパーバイザ型のアーキテクチャを採用した仮想化ソフトウェアをマイクロソフトが投入することで、本格的な仮想化の時代に突入する。

[敦賀松太郎,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「Windows Server "Longhorn" 徹底研究」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


ハイパーバイザ型が主流になる仮想化環境

 マイクロソフトは2005年12月、現行の仮想化ソフトウェア「Virtual Server 2005 R2」を発売した。2006年4月にVirtual Serverと競合するヴイエムウェアの「VMware Server」が無償で提供されたのを受け、Virtual Serverも無償化。現在は、フリーソフトとして提供され、日本国内だけでも10万以上ものダウンロード実績がある。

 Virtual Serverは、Windows Server上で稼働する仮想化プラットフォームであり、Windows ServerホストOS上に、WindowsゲストOSの仮想化環境を実現するものだ。つまり、ホストOSからゲストOSまで、一貫してマイクロソフトがサポートするというのが、大きなユーザーメリットである。ユーザーニーズに合わせてLinuxへの対応も開始し、現在はゲストOSとしてRed Hat Enterprise LinuxとSUSE Linuxをサポートしている。

 その一方で、マイクロソフトはハイパーバイザ型の仮想化ソフトウェアの開発も進めてきた。それが「Windows Virtualization」である。ハイパーバイザ型の仮想化ソフトウェアと言えば、オープンソースの「Xen」、ヴイエムウェアの「VMware ESX Server」に採用されている技術。現行のVirtual Serverは、Windows ServerをホストOSとしたユーザーレベルのアプリケーションの1種であるが、Windows Virtualizationは、独自の仮想化レイヤーがOSを介さずにハードウェア上で直接動作し、その上に仮想マシンを構築する仕組みになる。ホストOSを利用する現行のVirtual Serverに比べ、オーバーヘッドが少なく、動作が高速化することが特徴だ。

 マイクロソフトのWindows Server製品部マネジャー、藤本浩司氏によると、Windows Virtualizationの開発は、マイクロソフトがコネクティクスの仮想化技術を買収した当時から始めていたという。XenやVMware ESX Serverの製品化が先行しているため、後追いで開発した技術のような印象を持たれがちだが、決してそうではない。いずれにせよ、Windows Virtualizationが登場することで、仮想化環境はハイパーバイザ型が主流になることだろう。

1コア1VMを実現するWindows Virtualization

 Windows Virtualizationと他のハイパーバイザ型仮想化ソフトウェアでは、内部の技術的な違いはあるものの、実現する機能はほぼ同じである。では、従来のVirtual Serverや、他のハイパーバイザ型仮想化ソフトウェアとは、どのような部分が異なるのだろうか。

 動作環境は、インテルの「IntelVT」、およびAMDの「AMD-V」というハードウェア仮想化技術を搭載したプロセッサが必須となる。Virtual Serverは、すべてがソフトウェアによってエミュレーションされてきたが、Windows Virtualizationは一部の機能にハードウェアエミュレーションを利用することで、Virtual Serverよりも10%以上のパフォーマンスアップが期待できるという。

 もう一つ、Virtual Serverに対する大きな優位点として、マルチプロセッサのサポートが挙げられる。Virtual Serverは1プロセッサのエミュレートのみ可能だったが、Windows Virtualizationは最大8プロセッサまで対応。もちろん、64ビットOSの仮想化環境をネイティブでサポートする。

 逆に、ハードウェア仮想化技術を利用することで、マルチコアプロセッサの1コアに1つの仮想マシンを割り当てることも可能になる。

 「例えば、Windows Server 2003 Enterprise Editionは、1本のライセンスで最大4つの仮想環境で利用できます。クアッドコアのプロセッサそれぞれのコアにVMを作成し、Windows Serverを稼働させれば、非常にリーズナブルな業務アプリケーション環境を構築できることになります」(藤本氏)

 一方、他のハイパーバイザ型仮想化ソフトウェアとの大きな違いと言えるのが、仮想化レイヤーを管理するための「ペアレント」と呼ぶサービスコンソールの部分だ。Windows Virtualizationでは、この部分がWindows Server "Longhorn"ベースになるという。Xenも、VMware ESX ServerもLinuxをベースにしたコンソールを採用しており、大きな差別化になる。もちろん、ペアレントにLonghornのフル機能が搭載されるわけではない。藤本氏によると、LonghornのServer Coreに近い形の実装になり、その上に仮想化環境の管理ツールが搭載されるという。

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