Fedora、次期リリースの延期と新デザインのテーマを発表(2/2 ページ)

» 2007年02月27日 09時00分 公開
[Lisa-Hoover,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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新テーマは飛躍

Splash F7起動画面

 今後のテスト版で披露される予定の、Fedora 7での新しい部分の1つに、新しいデザインのテーマがある。一目でFedoraと分かる青色の背景は相変わらずだが、F7では熱気球が織り込まれている。作者のダイアナ・フォン氏によると、それは新たな挑戦に立ち向かう大志を抱くイメージを呼び起こすことを狙ったものとのことだ。なおフォン氏のブログには、テーマのデザイン/作成に関するフォン氏のアプローチに関する詳細が紹介されている。それによると今回の新デザインでは、Fedoraプロジェクト全体としての方向性を表現するために、過去のFedoraリリースのイメージと新たに改訂されたイメージとを融合させたのだという。

Wallpaper F7壁紙

 Fedoraコミュニティーでは、テーマの提案を数週間以上に渡って受け付けていた。そしてFedora Core 5とFedora Core 6用のグラフィック集の作者でもあったフォン氏が最終的にジョン・ベア氏による「Flying High」モーラ・パウナダヤン氏による「Planet」とを、その2作品が持つ「冒険心と探求心という感覚」を理由に起用した。F7のグラフィック集に最後の仕上げを施す作業は、Fedoraのアートコミュニティー内での協働作業として続けられ、インフラアプリケーション用やwiki用やEchoアイコン集用のアートワークの再デザインがコミュニティーのメンバーによって行なわれる。

 ただ、まだやるべきこともたくさん残されている。例えばFedora Project Boardのメンバーであるポール・フリード氏はfedora-artメーリングリスト上で「Fedoraをベースとする独自のディストリビューションをユーザーが作り出すことができるようにする取り組みの一環として、コントリビュータによるアートワークを、デフォルトリリースのアートワークの代わりとして差し替え可能なRPMパッケージとして使えるようにしてほしい」と述べている。

ライフサイクルの延長と2つの大きな課題への取り組み

 今週のFedora Project Boardのミーティングでは、F7の最終リリース延期の決定のすぐ後に続いて、Fedora Core 5のライフサイクルを延長するかどうかの問題が話し合われた。しかしキーティング氏はミーティングの中でメンバーに対し、旧リリースのライフサイクルを延長するよりも、Fedora Core 5の保守はむしろやめにして、その分確保した開発者の時間をF7に集中できるようにしたいと主張した。「現在Fedora Core 5はRed Hatのエンジニアの時間を費やして保守されている。一般コミュニティーがFedora Core 5のパッケージを最新の状態に保ち続けるということを期待することはできないので、Fedora Core 5をアクティブに保っておくということは、Red Hatのエンジニアの時間を削るということになってしまうんだ」。またその後キーティング氏は「Red Hatのエンジニアの時間というのは当然ながら有限であり、現在でも時間を割り当てる必要のあることはほかにもたくさんある。Fedora Core 5の更新にさらなる時間を裂くよりは、彼らにFedora 7の機能に取り掛かるための時間を確保してほしいと個人的には思う」とも述べている。

 最終的にFedora Project Boardは、F7 Test 3のリリース日以降はFedora Core 5についてセキュリティアップデートのみを行ない、そしてそれをF7の最終リリースから1カ月後まで続けるということを決定した。キーティング氏はこのことについて「良い妥協案を見い出すことができたと思う。Red Hatのエンジニアたちは同じセキュリティアップデートをほかのRHELやFedoraのリリースについても行う可能性が非常に高いから、作業量的にそれほど増えることにはならない」とした。

 延期や変更や課題があったものの、スペバック氏によるとすべては素晴らしいリリースの誕生として実を結ぶだろうとのことだ。「Fedora 7の目標は突き詰めて考えてみると2つあるんだ。1つは、ユーザーがFedoraのカスタマイズ版を作ることができるようにすること。そしてもう1つは、CoreとExtrasのマージ。後者は前者を実現しやすくするためのことであり、同時に、コミュニティーからのコントリビューションをより多くするためのことでもあるんだ」。スペバック氏によると、前者のカスタマイズ版作成についての道のりは予定通りに進んでおり、後者の完全なマージについての重要なプロセスも進行中であるため、近いうちにRed Hat社とFedoraコミュニティーは「パッケージ、ビルドシステム、ソース管理などといったエンジニアリング関連の多くの事柄について、みんなで同じ方向を目指すようになるだろう。そしてみんなが順調に前進を続けてさえいれば、僕は満足なんだ」とのことだ。

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