developerWorksの歩き方 第2回――ゾーンを巡る短期集中連載

前回は、日本語による技術情報が集約された「IBM developerWorks」を紹介しました。今回は、developerWorksにはどういったコンテンツがどのように配置されているのかを紹介します。

» 2007年03月05日 08時00分 公開
[ITmedia]

 前回は、日本語による技術情報が集約された「IBM developerWorks」を紹介しました。ソフトウェアやハードウェア開発者のための優良な技術が集約されたdeveloperWorksですが、多くの方は、頻繁にdeveloperWorksを訪れるというよりは、たまたまGoogleで検索した際にヒットしたのがdeveloperWorksのコンテンツだった、というケースの方が多いのではないでしょうか。

 一般的なニュースサイトのように、いわゆるフロー型のコンテンを扱うサイトでは、ユーザーは日々の新鮮なニュースを求めて毎日のようにそこを訪れる傾向があります。一方、ストック型のコンテンツを扱うサイトでは、自分のニーズに合ったものが掲載されている場合にのみ訪れることが多く、しかもその多くがGoogleなどの検索エンジンから誘導されることも珍しくありません。

 しかし、developerWorksをじっくり巡回してみると、そこにはまだまだ宝が眠っていることに気がつかされます。今回は、developerWorksにはどういったコンテンツがあるのかを紹介していきましょう。

8つのゾーン

 developerWorksでは、「ゾーン」と呼ばれるカテゴリ分けを行っています。各ゾーンはそれぞれ特定の技術情報やそれに関する記事が集約されています。このゾーンは現在、次のような8つが用意されており、developerWorksのTop画面の左側にあるナビゲーターからそれぞれのゾーンに入ることができます。

 日本と台湾、中国、韓国では、それぞれの国の言語に翻訳されたdeveloperWorksサイトが公開されていることは前回紹介したとおりですが、それぞれのナビゲーターを見ると、個性があることが分かります。

 図1は、米国、日本、中国、韓国のdeveloperWorksのナビゲーターを並べてみたものです。これを見ると、日本や韓国ではゾーンをIBM製品群へのリンクより上に持ってきていることが分かると思います。また、ゾーンの種類についても「Power Architecture」や「Wireless technology」は日本では用意されていないようです。「Power Architecture」が用意されていないのは市場性の違いなども考えられますが、「Wireless technology」などは今後登場を期待したいところです。

米国、日本、中国、韓国の順でdeveloperWorksのナビゲーターを並べてみたところ

 また、上記8つのゾーンとは別に、IBMが持つ製品群、具体的には、「WebSphere」「Information Mgmt(DB2)」「Lotus」「Rational」「Tivoli」「AIX」「IBM Systems」(ハードウェア)などへのリンクが用意されています。このうち、「AIX」「IBM Systems」を除くリンクは、各製品の「Developer Domain」と呼ばれるサイト、例えばLotusであれば「Lotus Developer Domain」へのリンクとなっています。つまり、developerWorksは各Developer Domainと疎結合しながら全体を構成していると言えますが、そのことで微妙に機能に違いなどもあり、混乱しがちなところもあります(これは次回解説します)。

 それぞれのゾーンにはその名が示すとおりの情報が集約されていますが、「Autonomic computing」と「Grid computing」を除く6ゾーンは頻繁に新規記事が追加されています。記事の性質上、同じ記事が幾つかのゾーンにまたがって表示されることが多いため、一概には言えませんが、「Java technology」や「Web development」ゾーンに掲載される記事はAjaxなどの人気が高まったこともあり、その詳細情報を求めて多くのユーザーが足を運んでいるようです。自分の興味とはあまり関係がないと思っていたゾーンの中に、今抱えている問題を解決してくれるような記事が眠っていることも珍しくありません。

シリーズ記事一覧は要チェック

 各記事の要素はほぼ共通したテンプレートとなっており、おおむね次のようになっています。また、先ほどナビゲーターについて触れましたが、各記事に進むと、この部分は見出しをナビゲートする表示になります。

タイトル

レベル

著者

本文

参考文献

著者プロフィール


 レベルについては、その記事の内容の難易度を「初級、中級、上級」の3段階で表示していますが、内容によっては初級でも高度なものが混じっていることもあるので、これは目安程度にしておいた方がよいでしょう。逆に言えば、初級の内容が分からなくても悲観する必要はありません。

 参考文献は非常に多くの情報が含まれていますが。米国の翻訳のためか、この部分には日本語のサイトが紹介されることはほとんどありません。関連するdeveloperWorksコンテンツや文中で出てきた書籍へのリンク、IBMブランドのソフトウェアの評価版などが紹介されています。

 日本のdeveloperWorksは翻訳記事を中心としたサイト構成ですが、すべての記事が翻訳されているわけではないことに注意してください。例えば、「Ajaxをマスターする」という連載記事がありますが、これはシリーズ記事一覧で見てみると、第6回からが翻訳されて掲載されています。こうした場合、参考文献の部分に原文のリンクなどが紹介されていますので、必要に応じて米国のdeveloperWorksで

 傾向として記事同士のリンクはあまりされていないため、検索エンジンなどからdeveloperWorksに来た場合、それ以外の記事に気づかずに去ってしまうこともあるかと思いますが、そんなときは各ゾーンのトップページに用意されている「シリーズ記事一覧」というリンクを探してください。リンク先には各記事がグルーピングされていますので、自分の探していたコンテンツが実は豊富に存在していたといううれしい誤算があるかもしれません。

Java technologyゾーンのシリーズ記事一覧のページ。記事がグルーピングされている

 また、蛇足ですが、著者プロフィールにはときおりユーモラスなものが含まれています。例えばこの記事です。特にIBMの社員でない人物が執筆している場合にこの傾向が強いようですが、技術情報を収集するのに疲れたときは、こうしたdeveloperWorksの遊び心を探してみるのはいかがでしょうか。

次回は

 ここまで各ゾーンを中心に紹介してきましたが、developerWorksは有益な記事が多く存在するものの、有益な記事を探すのに苦労することもあります。そこで次回は、RSSやメールマガジン、外部のサービスなども活用し、developerWorksで人気のある記事を効率よく確認する方法を考えたいと思います。

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