「日本企業の情報活用は力不足」――オートノミーが目指す検索の自律化よく効くエンタープライズサーチの処方箋(2/3 ページ)

» 2007年03月06日 08時00分 公開
[富永康信(ロビンソン),ITmedia]

苦手なセキュリティを克服

 IDOLに盛り込まれた機能は多岐にわたる。中でも重要なのが、マルチアクセス機能だ。企業内では、コンテンツ管理システムや文書管理システムが複数存在する。そのため、それらから情報を収集して検索できるよう、柔軟なコネクティビティを提供しているという。

 また、各システムがセキュリティ管理を担保している状況で、それらを検索側にも透過的に反映しないと、見る権限がない人にも情報を公開してしまうことになりかねない。だが、セキュリティを反映させながら検索効率を高めることは、検索エンジンの最も苦手とするところ。認証を検索ごとに問い合わせていると、検索時間が増大してしまうからだ。

 「IDOLでは、ACL(*1)情報をインデックス内に持ち込むことで、セキュリティを確保しながら検索スピードをアップするアーキテクチャーを採用し、その課題を解決している」(江川氏)

図 IDOLの構成

 さらに、絞り込み、推奨などの部分でも強みを持つ。横串での検索は当然として、データベースのようにさまざまな属性情報を持つ場合は、その属性から情報を絞り込んで、1つのデータを見つけ出す。例えば、部品表からある部品のデータを見つけ出したり、商品情報から色や形状で選択したりする場合だ。一般の検索エンジンでは、SQLをベースに作り込んでいるケースも多いが、最近は属性情報が増えているためSQLだけでは対応しきれなくなっている。

 そこでIDOLでは、全文検索ではない「パラメトリック検索」(母集団の特性を規定する母数についてある仮説を設ける検索)機能や、リアルタイムなドキュメント分析を反映した「自動ナビゲート機能」を用いて検索支援をしている。


*1 ACL(Access Control List):ネットワークユーザーごとのアクセス権限や、アクセス可能なサーバ、ファイルなどの情報を列記した一元管理用のリスト。

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