社員はルールを守らない!?現場とのギャップを埋める「3つの原則」エンタープライズコンテンツ管理(1/3 ページ)

管理ルールを設定するIT部門と、それを実施すべき現場の社員とのあいだに温度差がある企業は少なくないだろう。企業におけるコンテンツ管理の現状とこれからの考え方について重要となる3カ条を紹介する。

» 2007年03月09日 08時00分 公開
[ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「コンプライアンス時代のマストアイテム!エンタープライズコンテンツ管理」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


人はルールどおりには動かない

 「エンタープライズコンテンツ管理」(ECM)を主題としたこの記事の読者には、企業の情報システム構築などに関わられている方も多いだろう。そうした読者の皆さんに、まず指摘・提言しておかなければならないことがある。それは、多くの企業が情報システムについて陥っている考え違いについてである。

 昨今、情報漏洩事件などが頻繁に起こり、企業の情報システムにおけるセキュリティの問題が声高に叫ばれていることは周知の通りだ。

 しかし、厳しい言い方だが、口頭あるいは文書による企業ルールや禁止事項の通達は、ほとんど意味をなさないということを改めて知っておくべきである。人間は、たった1つのルールであっても、なかなか守れないものだ。当たり前といわれることがなかなかできないのが、人間の特性なのだ。また、どんなに気をつけたとしても、人はミスを犯すものだという前提をしっかり認識する必要がある。

規制とモチベーションのバランス

 企業には、多くの社員が勤務している。1万人の社員を抱える企業の中で、9999人がルールを守ったとしても、たった1人でも守らなければ、その企業への信頼を失うことになる。また、もし仮に、1万人の社員全員がルールを守ったとしても、予期しない窃盗犯が侵入して情報を奪っていったり、天災などによって情報が失われてしまったりすることも考えられる。

 別の側面から見て、「〜を禁止する」「〜してはいけない」といった否定的な命令が数多く発せられることは、社員の業務に対するモチベーションを引き下げてしまうことにも留意したい。セキュリティに関する禁止ルールは、現場で働く社員にとって、本来の業務の効率を妨げる面倒なことと受け取られがちだ。実際、会社からの規則や規制の強化を負担に思う社員は非常に多い。

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