2007年、最も需要が大きく供給の少ないスキルは「プロジェクト管理」との調査結果

Forresterの調査によると、2007年に企業から求められている技術者は、プロジェクト管理やセキュリティ、アーキテクチャなどに関したスキルを持つ人々だという。

» 2007年03月15日 12時34分 公開
[Deborah Perelman,eWEEK]
eWEEK

 あなたが持っているスキルは、企業の経営陣が何より欲しているものかもしれない――。Forrester Researchが3月8日に発表した調査報告によれば、ネットワーク管理やアプリケーション保守の日常業務を外部委託する傾向が強まる中、2007年にはプロジェクト管理やセキュリティ、アーキテクチャなどに関したスキルを持つ技術者が、企業から求められるようになるという。

 Forresterは2006年11月、186名のIT部門責任者に対し、17分野におよぶスキルについて、2007年にどのような人材確保戦略を採るのかを尋ねた。調査結果からは、これまでと同じく、プロジェクト管理分野で人材の需要と供給にひらきがあることが分かった。

 2007年には、IT責任者の26%がプロジェクト管理者を新規雇用する予定で、59%は現在プロジェクト管理に携わっている社員を再訓練するつもりだという。自分の組織に欠けているスキルをプロジェクト管理関連と答えたIT責任者が55%に上っていた2002年から、状況はほとんど変わっていないと言える。

 プロジェクト管理スキルへの需要が相変わらず高いのは、期限および予算の両面における経営側の要求に沿うプロジェクトをIT部門が生み出せるかどうかで、ビジネスに対するITの価値が決まると考えられているからだ。企業の最高技術責任者(CIO)らは、もっぱら技術的な仕事ばかりこなしてきたITスタッフは、プロジェクト管理者としての立場になじみにくいと指摘し、教育機関が授業でそうしたスキルに焦点を当てていないことを批判している。

 セキュリティスキルが不足していると感じるIT責任者も多く、31%が2007年に人員増強を考えていると回答した。CIOは、IT戦略全般においてセキュリティの質を高める必要に迫られており、そうした背景が雇用の促進につながったと考えられる。

 これに加え、インフラストラクチャおよびそのほかのエンタープライズ関係アーキテクトに対するニーズも高かった。調査では、25%程度のIT責任者が、2007年にITアーキテクトを雇い入れたいと話している。CIOは、安全なインフラストラクチャを設計および運用するために、アーキテクチャフレームワークを活用する方法を熟知している専門家を探しているという。

 今年、トレーニングに最も力を入れるとされたのは変更管理スキルで、60%のIT責任者がリソースを投入する意志があると答えていた。

 プロジェクト管理、セキュリティ、アーキテクチャ、変更管理以外では、調査対象となったIT責任者の19%が、ビジネスプロセスの専門家を雇用する予定だという。そのほか、リスク管理(14%)、パッケージアプリケーションサポート(13%)、レガシープログラミング(11%)なども、優先順位が高かった。

 また、ビジネスプロセスを改善する手段としてITILを採用する企業が増えたことから、2007年にはサービス管理トレーニングを強化すると回答した対象者も多く、その割合は全体の58%に及んだ。

 2007年に取り組むべき課題として、ベンダーごとのトレーニングや調達管理を挙げたIT責任者は56%となった。これは、対象企業の約半数がベンダー管理業務を一本化して、委託業者や請負業者が担当する膨大なIT作業を管理している背景を反映した結果である。

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